キャプイン 野球選手がこだわる「背番号」 銀行の暗証番号にまで?!

スポーツ 2017年2月1日掲載

往時は“王子”だったが……

 今日から各球団がキャンプイン。3月にはWBCも開催されるし、今年もは野球から目が離せない季節が始まった。今シーズンのプロ野球を別の角度から楽しむポイントを紹介しよう。

■野球選手がこだわる数字

 それは、背番号。野球の背番号とは、選手を見分けるための背中についている数字、などではない。佐々木健一著『神は背番号に宿る』によると、プロ野球選手は背番号という数字が持つ力を強く信じており、身のまわりにある数字――車のナンバープレートから電話番号、銀行口座、キャッシュカードの暗証番号など――を背番号にちなんだ数字にすることが多いという。セキュリティ的にはまずいかもしれないが、ゲン担ぎとしてとことん数字にこだわるのが選手の心理なのだ。

■日ハムの「1」は今年こそ!

 注目すべき背番号ストーリー、まずは日本ハムファイターズの斎藤佑樹である。毎年シーズン前に「今年こそ」と話題になるが、今度こそ、もう後がない。2011年にドラフト1位で入団以来、エース番号と言われている「18」をつけていたが、鳴かず飛ばずの成績(6シーズンで通算14勝)はご存知の通り。昨シーズンが終わり、ついに「18」を返上した。とは言っても、新しい番号は「1」だから、これまた大切な番号である。王貞治の永久欠番である読売ジャイアンツは別にしても、ソフトバンクの内川聖一、ヤクルトの山田哲人、阪神の鳥谷敬、楽天の松井裕樹など、各チームとも「1」をつけているのは、投打の主軸を担っている選手ばかり。球団による期待なのか配慮なのか分からないが、いずれにしろ、斎藤が背番号に負けない活躍ができるか、今年も見届けたい。

■エースナンバー「18」が野手に?

 では、その斎藤に替わって誰が日本ハムのエース番号を背負うかというと、岡大海(ひろみ)選手。なんと、野手である。これはかなり珍しく、前述の『神は背番号に宿る』によると、「18」を野手がつけるのは、1987年以来30年ぶりとなる。しかもその時に「18」をつけたのは、当時の横浜大洋ホエールズの助っ人外国人、シクスト・レスカーノ……と聞いてもピンとくる人はほとんどいないだろう。鳴り物入りでメジャーリーグから入団したものの、シーズン開始後すぐに極度の打撃不振に陥り、わずか1ヶ月で退団した選手なのである。

 桑田真澄、松坂大輔、田中将大(まさひろ)、前田健太、三浦大輔などなど、日本を代表する投手たちがつけてきたエース番号「18」。その番号を打診された岡はかなり驚いたようだが、「エースナンバーなので、責任を持って自分らしいプレーをしていきたい」と話している。「18」が野手の番号としても認められることになるか、岡の活躍にかかっている。

■憧れの「3」をつけたのは松田宣浩

 そして最後は、憧れの選手に背番号から挑むソフトバンクホークスの主軸、松田宣浩。入団以来11年間、背番号「5」をつけていたが、今シーズンから「3」になる。「3」といえば、ミスタージャイアンツ・長嶋茂雄。長嶋と同じサードを守る松田にとって、「3」は憧れの番号だったという。侍ジャパンでも「3」をつけることになった松田。「長嶋さんのように熱く生きていきたい」と自らその“重荷”を背負うことを選んだ。

 この背番号「3」、ジャイアンツファンにとっては神聖なる数字だが、阪神タイガースでは、むしろイマイチな数字であった。移籍選手がつけることが多く、つけた選手はあまり大成しない。極めつきは、“空白の一日”によってほんの一瞬だけ阪神に在籍した江川卓である。「『たまたま空いていた番号だから』と、当時の阪神関係者は言ったというが、そこには何らかの意図が込められていると察するほうが自然だろう」(『神は背番号に宿る』より)。ましてや、当時の巨人の監督は長嶋茂雄だったから、なおさらである(阪神の「3」はその後、代打の神様・八木裕や関本賢太郎の活躍により、生え抜きの選手が活躍する番号へと変わり、今年はドラフト1位の大山悠輔に与えられた)。

 ホークスの「3」も、これまで松永浩美や松中信彦といった、球団を代表する選手に与えられてきた。松田が、チームも、そして侍ジャパンも代表する選手になれるか、背番号の力に注目したい。

デイリー新潮編集部