住宅地のありふれた川に生息! あの天然スッポンを「捕まえて、食べる」!!

ライフ週刊新潮 2017年8月17・24日夏季特大号掲載

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夏休みの課題は「捕まえて、食べる」!(1)

 スッポンはお店で食べるものだと思っていませんか? 郊外の川や沼に結構いるんです。原っぱを歩いていると、ニョキッと黄色いタマゴタケ! それも美味しいんです。『捕まえて、食べる』(新潮社刊)の著者・玉置標本氏が夏休みに伝授する野生生物の捕まえ方と料理法。まずはスッポンの捕獲大作戦からスタート、とまいりましょう。

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 どんな人間であっても、食べ物を摂取しなければ生きていくことは決してできない。いくらテクノロジーが進化したところで、電気やガスでは人の胃袋は満たされないのだ。そこで、自らの腕で獲物を捕獲し、自分の手で料理して、己の舌で味わうという経験をすることを提案したい。

 食べ物を確保するという行為こそ、人類の、いや一匹の動物としての根本的、本能的な欲求であり、だからこそ時として性欲や出世欲が満たされたときを超えるような、他では得難い満足感を得ることができるのだ。なーんて難しそうに理由付けをしてみたが、なにかを捕まえて食べるという体験は、単純に楽しいのである。

 私は都市部(といっても埼玉ですが)に住みながら、「捕まえて、食べる」ことを趣味にしている。野生の動植物を採取して食べるということは、特別な趣味のように思えるかもしれないが、実は決して難しいものではない。誰もが子供の頃に体験した、虫捕りや魚捕りの延長線上にあり、狩猟免許や特別な技術がなくたって、ちょっとした知識と好奇心があれば、誰にでも狙えるターゲットは無限にあるのだ。

 防波堤で釣り糸を垂らしたり、図鑑を持って食べられる野草を探したり、干潟で貝を拾うだけでも楽しいが、今回はあえて難易度を上げて、達成感や高揚感を存分に味わえるターゲットを紹介してみたいと思う。

 まず紹介するのは、夏バテ気味の体なら泣いて喜ぶ高級スタミナ源、「スッポン」である。野生のスッポンなんて本当に捕れるの?と思われるかもしれないが、本州以南であれば広範囲に生息しており、養殖場から逃げ出したものが自然界で繁殖している場所も多い。比較的温暖な地域を好むようだが、関東各地にももちろん潜んでおり、私も埼玉県内の住宅地を流れる、ありふれた川で捕まえた経験がある。

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