自家製降圧剤! 高血圧レシピに欠かせない「ゴーヤ」「海産物」「タマネギ皮煮汁」

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黒豆茶、玉ねぎ茶、酒も

 固形物に限らず、飲料でも工夫の余地はある。高血圧がその進行を促し、またそれによって高血圧がエスカレートする動脈硬化は、不可逆的に血管を蝕んでいくのだが、総合内科専門医の秋津壽男医師は、独自のドリンク健康法を披露する。

「動脈硬化の予防に最適なのが黒豆茶です。黒豆にはアントシアニン、イソフラボン、サポニン、ビタミンEと、血流を促進させて血管の老化も防ぐ成分が豊富に含まれていて、すべて高血圧改善にも有効というわけです。また、そば茶も、ポリフェノールの一種であるルチンが含まれているのでおすすめです」

 降圧剤を服用し続けてきた本誌(「週刊新潮」)関係者も、秋津医師の勧めで黒豆茶を飲み続けた結果、薬効とは別に3カ月で上下とも数値を10ずつ下げることに成功した。さらには、

「タマネギの皮をお茶のように煮出したタマネギ皮煮汁、すなわちタマネギ茶も効きます。硫化アリルという辛味の成分が、血栓を溶かして血液をきれいにする働きを持っているのです。それから、大腸がんの予防効果が見つかっているコーヒーが動脈硬化にも有効だとわかってきました。クロロゲン酸というポリフェノールが含まれており、1日2、3杯飲む人が、飲まない人より効果を期待できるというデータがあります」

 加えて、飲酒の効能を指摘するのは、大櫛陽一・東海大学名誉教授である。

「WHOのデータでは、適量の酒を飲む人の方が、全く飲まない人より健康度が高いことが判明しています。ビールに換算すると、1日600ミリリットル飲む人は飲まない人とほぼ同じ水準ですが、最も健康度が高いのは300ミリリットル程度を飲む人という結果が出ています」

 中ジョッキを傾け、八分目程度か。先の秋津医師も、

「度数14〜15度で1合弱という、赤ワインの効能の基準である『フレンチパラドックス』が目安です。この酒量は動脈硬化予防に有効で、無理にでも飲んだ方がよいとされている。これを超すと、どんな酒でもマイナス要素の方が強くなってしまいます」

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(3)へつづく

週刊新潮 2017年8月10日号掲載

特集「長寿のカギ『血管』を蝕むサイレントキラー 『高血圧』の最新常識」より

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