「コメ兵」が北京で組む「大型質店」の品揃え

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“いらんもの”をリユースする業界最大手の「コメ兵」が、香港ショールームに続いて、北京に進出するという。

 香港にあるコメ兵の子会社が、中国企業と北京市に合弁会社を設立し、中古品販売店を展開することが、7月14日のコメ兵取締役会において正式に決定された。

 リユース業界に詳しい経済誌編集者が言う。

「コメ兵は、北京市に拠点を持つ『北京漢美嘉誠』と手を組んで合弁会社を設立することで、ブランドもの消費量でいまだ世界を席巻する中国市場に本格的な橋頭堡を築いたことになります」

 その北京漢美嘉誠とは、何者なのか?

「北京市内で50店舗を展開する大手質屋チェーン『華夏』の主要株主で、企業管理、投資管理を行っています。華夏は、中国人の贅沢品嗜好を追い風にして北京で急成長している中国のコメ兵みたいな企業ですから親和性はある」(同)

 コメ兵が本格的な中国進出を図るメリットは何か? 経済紙の記者が言う。

「今、リユース業界は、大転換期に立たされています。銀座や梅田を始めとする大規模店での中国人の爆買いが影を潜め、コメ兵もインバウンド需要を当てにした地価の高い店舗はどこも苦戦。国内での新店には期待できない。中国進出で収益源を増やし、一気に業績回復を図りたいのです」

 実際、コメ兵の2017年3月期の連結決算は、売上高前期比13%減の401億円、純利益に至っては79%減の3億5500万円と事態は深刻である。

 北京新店舗の品揃えは?

「華夏を踏襲するでしょう。高級腕時計のロレックス、革製品ならエルメス、シャネル、ルイ・ヴィトン。バッグは精巧なコピーを判別する鑑定眼が求められますが、コメ兵が持つスキルで対処できます」(同)

「商いは牛の涎(よだれ)」とも言いますがね。

週刊新潮 2017年8月10日号掲載

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