高木ブーも実践、運転免許返納のススメ “婚活サービス入会金タダ”の特典も

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“婚活”も

 続けて、葬儀屋「ユニクエスト・オンライン」は、

「弊社の『小さなお葬式』プランを、1万円割引する等のサービスを提供しています。免許の自主返納を『終活』の一環と考えているからです。返納者ご本人に限らず、3親等以内の親族まで対象となります」(広報担当者)

 さらに、神奈川県にはこんなサービスまで存在する。

「運転経歴証明書をお持ちの方には、手数料はいただきますが、3万円の入会金を無料にさせていただいております」

 こう解説するのは、「E‐link」の長谷川悦子代表取締役。同社のホームページの事業内容欄には〈結婚相談所事業〉と記されている。そう、自主返納者は、同社の婚活サポートサービスの入会金がタダになるのである。とはいえ、免許の自主返納自体は何歳でも可能であり、このサービスの利用者はさすがに若い自主返納者に限られるのでは……。

「確かに、20代の女性で運転経歴証明書を提示して入会された方もいましたが、ご高齢の自主返納者もすでにふたり入会されております。お一方は50代後半の女性で、10年ほど前に離婚されて独身。もうお一方は64歳の男性で、数年前に奥様と死別なさっています。お二方とも、友人の勧めで入会しようとした際に特典を知られたとのことですが、ともに婚活されていますよ」(同)

 タクシー利用から婚活サポートまで。免許を自主返納すると、殺人ドライバーとなる恐怖から解放されるだけでなく、「第2の人生」をスタートする援助も受けられる時代に入っているのだ。23年前に伴侶を亡くしている高木さんに婚活サービスの件を伝えると、

「面白いね〜。僕も入会しちゃおうかな。笑い話にされるかもしれないけど、そのサービスは粋(いき)だね」

 高木さんは都内在住だが、

「神奈川県外の方から問い合わせがあった場合も、ご対応を検討させていただきます」(長谷川さん)

 なお、昨年度時点で65歳以上の免許自主返納率は2%にも達していない。その他の98%の高齢運転者は、残りの自身の人生をどう「ハンドリング」していくのか。

週刊新潮 2017年7月20日文月増大号掲載

特集「特典いろいろ! 『高木ブー』も実践!! 『殺人ドライバー』になる前に『運転免許返納』のススメ」より

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