ホリエモン、スピードワゴン小沢、燃え殻リアルな結婚観

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結婚できず、家族を作れない人間は「大人失格」なのか? 3人それぞれが抱く新しい人間関係、理想の家族像とは。これからの新しいリアリティは「血縁よりソーシャル」にあった!〈堀江貴文×小沢一敬×燃え殻 ボクたちはみんな大人になれなかった座談会 第5回〉

結婚は昔のモテない人が作った呪い

燃え殻 今回40代が恥ずかしながら過去の恋愛を書いたというのもあるんですが、一方で、じゃあこれからどうするんだよ、というのも感じていたことなんですよね。昔好きだった彼女に「友達申請」しちゃった同じ日に、主人公の同期が会社を辞めるっていう設定で。彼は結婚もしていなくて、最後に「いろんな人間に出会ってきたのに、ずっと誰かと一緒にいることができなかった」って言う。家族を作れなかった人間が、これからどう生きていけばいいんだろうっていうのはずっと思っていて。

堀江 小沢くんがさっき、一度近くなった人間は家族みたいなものっていう話をしてたじゃないですか。僕も同じで、いまリアリティがあるのは血縁よりもソーシャルなんですよ。実際に最近よく遊んでいる人たちが、僕にとっての“家族みたいなもの”なんです。

小沢 すごい分かる。俺もいま徳井(義実)くんとかと一軒家借りて3人でシェアハウスしてるんだけど“家族みたいなもの”だね。もちろんそれぞれの部屋があって、お互い干渉とか一切しないけど。

燃え殻 小沢さんに初めてお会いした時も、小沢さんのシェアハウスに遊びに行かせていただいたんですよ、図々しくも。

堀江 あの浅草の家ね。

小沢 今はもう引っ越しちゃったんだけどね。浅草、好きだったなあ。美味しいご飯屋も多いし、近所付き合いもあるし、俺、田舎もんだからちょうどよかったのよ。だけどね、なんか遠かったの。

堀江 それは最初から分かってたでしょ(笑)。でも東京って思ってるより広いよね。時代小説とか読むと、昔の人ってよくあんな遠くまで歩いてたなと思うもん。

小沢 そう思うよね、参勤交代に想いを馳せるたびにね。

燃え殻 あんまり馳せたことない(笑)。

堀江 けっこうな距離移動してるじゃん。『天地明察』とかさ。

小沢 それ言うなら、『西遊記』読んだとき、思ったよね。しかも横見たら河童と豚の化け物がいるんだよ? 俺、絶対嫌になるね。

堀江 これ何の話だっけ?

小沢 浅草は遠かったって話。

燃え殻 いや、血縁よりソーシャルへ移行してるって話です(笑)。

堀江 あ、そうそう。でも、だからといって誰かと常にべったりかというと、そうじゃない。人と会う時間って一人当たりの総量が決まってるんじゃないかと思うんだよね。集中して誰かに会いすぎると、その人のエキスを吸いすぎちゃうっていうの? ちょっと他でリチャージしなきゃみたいな。

小沢 分かる。俺シェアハウスを何個も持って、いつも家を渡り歩いて暮らしたいもん。今日の二人とも、家借りたい。

堀江 それいいね。俺も昔シェアハウスしてたことあるんだよね。

小沢 え、あの大勢の犯罪者たちと?

堀江 その話じゃなくて(笑)。

小沢 でもマジで借りよっか?

燃え殻 男ばっかですけど。

堀江 女の子、男の子とかってのは、もうどうでもいいよね。

小沢 え? ちょっと待って。事情変わってくんだけど。俺をそういう対象で見てるわけじゃないよね?

堀江 なわけないだろ(笑)。そういう対象だったら俺、女性の見た目じゃないとダメだから。

小沢 よかった。この人、好奇心とラブの人だから、ちょっと焦っちゃった。

堀江 また誤解されるから、この話やめていいかな(笑)。今、生涯未婚率が史上最高で、でも40代未婚男性で幸せを感じてる人は36パーセントしかいないっていうデータがあるんだけど、みんなずっと同じ人と一緒にいるってことに縛られすぎだと思うんだよね。

小沢 俺がよく言うのは、結婚っていうシステムは昔のモテない人が作った呪いだと思うの。みんなその呪いにかかってるだけなの。結婚しなきゃっていう呪いに。結婚というシステムがなかった時代もあるわけじゃん。

堀江 家族制度っていうのはそもそも太陽の運行に支配されているっていう話があって。これは僕の大学のゼミの先生で、船曳建夫さんという教授が唱えた説なんだけど。近代以前の農耕生活をしていた頃っていうのは、まだ個人っていう概念がないわけでしょ。土地を息子一人で相続していって田畑の分割を防ぎ、年老いて自分では耕せなくなっても野垂れ死なないようにしていた。要は社会で生き残るために、家族制度が必要だった。

小沢 うんうん。

堀江 フランスの共和政が何を生み出したかって、小作農がみんな土地を持っていっちゃうわ、子どもが5人いたら5分割して相続しなきゃみたいな、個人の主張が濫立する状況でしょ。ブルゴーニュとかって、同じ銘柄の畑なのにいろんな人たちが権利を持っていたりする。何が言いたいかっていうと、近代以前は確実に子どもを作って生き残れるように、結婚制度があったという話ですよね。誰でも嫁をもらえるようなシステムっていう。これはサル山の猿と一緒だからね。

小沢 その頭のいい人たちが議論に議論を重ねてたどりついた説を、俺はさっき自然に言えたけどね。

燃え殻 (笑)。でもその呪いが、いまちょっとずつ解けてきていますよね。

小沢 そう思う。俺の理想の家族の話してもいい? 例えば徳井くんが結婚しましたってなったら、その奥さんも含めてみんなで一緒に住めばいいじゃんって俺は思ってるの。別に干渉し合わないし、気が向いたら一緒にどっか旅行とか行ってさ。俺ら正月旅行は20人とかで行くんだけど、みんなで行こうよって思うんだよね。彼女連れてくる奴もいるし、この間は知らない小学生6人いたけど。俺はそれを一生続けていたいの。だから理想の形は家族っていうか、イタリアのマフィアの言うファミリーに近いのかも。家族って概念にとらわれたくないんだよね、それよりも仲間っていう意識で人とつながっていたい。

デイリー新潮編集部

2017年8月4日掲載

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