谷垣前幹事長、復帰のカンフル剤は「麻生太郎」への怨念

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■自立歩行を視野に

 その兆候は、パーティーの前に現れていたという。

 政治部記者によれば、

「5月20日、総理は谷垣氏の入院する病院へ視察と称して見舞いに訪れる予定でした。その2日前には、官邸から同行記者の募集まで告知されていたのですが、急遽中止となってしまいました」

 そもそも、総理自ら足を運ぶのには、こんな事情があったと記者が続ける。

「谷垣氏が総裁時代にまとめた憲法改正草案を否定する改憲構想を口にした総理は、その禊を済ませたいという気持ちもあった。改憲に向けて党内をまとめたい総理にとって、谷垣氏には党の憲法調査会長として復帰して貰いたい。そうした可能性を探る好機でしたが、次回の日程はまだ決まっていません」

 実際、総理が面会を打診した時期は、谷垣派にとって結成以来、最大の危機が訪れてもいたのである。

「今年5月、谷垣派から佐藤勉元総務相、棚橋泰文元特命相ら4人が、新・麻生派へ合流するため離脱したことに、谷垣氏や側近らは相当の危機感を募らせている。事前に合流を促す麻生氏からの手紙を受け取った谷垣氏は“時期尚早であり、そのような話は聞いていない。直接お目にかかってから話したい”という手紙を送り返した。普段はソフトで穏やかな谷垣さんも、事故後に初めて公に出した肉声が派閥合流に反対する内容だったことから、麻生さんへの不信感は相当なものです」(同)

 ちなみに、リハビリを続ける谷垣氏は、新たなメニューにも意欲的に取り組んでいると言うのは先の関係者で、

「介護士に両脇を抱えられ、自立歩行に向けた訓練を始めています。政治家は見た目が大事。杖を使ってでも人前に立ちたいという一心で、怪我と闘っています」

 永田町に再び――その情念は烈火の如く、谷垣氏を突き動かしているのだ。

ワイド特集「その情念、烈火の如く」より

週刊新潮 2017年6月29日号掲載

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