我が子の写真をLINEスタンプにして販売することの何が問題なのか

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自分の身は自分で守る

 16年10月に審査基準が緩和され、一気に制作の敷居が低くなったLINEスタンプ。これを機にLINEスタンプで一儲け、なんて甘い夢を見ている方もいるかもしれないが、現在はあまりに膨大な数のスタンプが販売されているため、一般人が作成したものはほとんど売れていないのが現実のようだ。だが、最近は金儲けではなく、子どもが描いたイラストを身内用にスタンプにする親も増えているようだ。

 そんな中、とんでもないスタンプが販売されていると、今ネット上で話題になっているのが、我が子の写真を使ったスタンプである。「○○くん0才」などと名付けられたそれは、50コインで一般向けに販売されており、SNSでは「我が子を金儲けに使うなんて…」「闇が深い」「LINE審査ガバガバすぎんよ?」「いかにも馬鹿親って感じ」などの否定的な意見が。審査基準の緩和以前は、LINEスタンプには写真は使用不可能だったが、写真使用がOKになったことにより、このような事態に発展しているようだ。

 我が子の写真をどうするかは親の責任ではあれど、子どもが将来自分の写真がネット上に拡散してしまっている状況をどう思うだろうか。スタンプに使用された写真は販売停止にしたとしても、購入したユーザーは利用し続けることが出来る。これが原因で事件やトラブルにでも巻き込まれでもしたら、思慮の浅い親であるとのそしりは免れないだろう。

 また今回の件では定かではないが、果たしてこれは本当に自分の子どもなのか、という問題もある。スタンプを作成する場合、LINEの定めた審査は入るものの、サービスに起因して起こった法律上の問題など、一切の責任を作成者が負うとされる。そのため「これは私に権利のある写真です」と作成時の利用許諾に同意してしまえば、実質的に誰の写真であっても使用してしまうことができる。例えばあなたがSNSにアップロードした写真も誰かが勝手にLINEスタンプにしてしまう可能性があるということだ。

 どちらのケースでも自分の責任で作成したスタンプが引き起こす問題から、プラットフォーマーであるLINEが守ってくれることはない。そのことをよく理解したうえで利用すべきだろう。

デイリー新潮編集部

2017年6月28日掲載

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