石破茂の“正論”をヤッカイ視 自民党「憲法改正」幹部会

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長いモノに巻かれない

 どんな組織でも正論を吐く人はいる。厄介と言われても、組織にとって有用であるかどうか、それが重要である。

「政局に絡めたり、雰囲気でやったりしていい話ではない」

 8日昼、憲法改正を巡って、派閥の定例会でこう発言したのは、石破茂前地方創生相(60)だった。

 政治部デスクの話。

「自民党は年内に党の原案を取りまとめる予定です。その役割を担うのが、憲法改正推進本部。これまで、保岡興治衆院議員が本部長を務めていましたが、議論が進まないので、幹部会に下村博文幹事長代行ら総理に近い議員12名を投入。石破さんもメンバーとしたのです。下村さんはいわば、お目付役。石破さんは総理の改正案に難色を示しており、外で騒がれるより、中で議論してもらおうと引き入れたのです」

 6日に党本部で開かれた幹部会の初会合でも石破氏はかみついていた。

「まず、5年前の自民党の憲法草案の扱いはどうなるのか、と高村正彦副総裁に迫っていました。案をまとめる上で、石破さんの説得が鍵になります」(同)

 対する下村氏、6月上旬の会合で、

「石破さんがいると、まとまらないんだよなあ」

 そう懸念を示した上で、

「これまで議論してきた保岡さんらに原案を作ってもらって、それを石破さんに見せる形で了承を取りたいと思っている」

 と漏らしていたという。

 先のデスクが解説する。

「幹部会の中から、石破さん以外のメンバーを厳選して、案を作成していく予定。総理の目算としては、最終的に石破さんにウンと言わせれば、来年の総裁選で、憲法を争点にできないという狙いもあります」

 実際、幹部会の議員も、

「石破さんの言うことは正しいけど、さすがに最後まで反対はできないでしょ」

 ヤッカイ視を跳ね返すくらい、睨みを利かせられるか――。

週刊新潮 2017年6月22日号掲載

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