犬“殺処分ゼロ”を掲げるNPO、保護犬に不妊・去勢手術せず 杉本彩も「動物愛護ではない」

国内 社会 週刊新潮 2017年5月18日菖蒲月増大号掲載

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■「世論をミスリードする」

 先に紹介した公開質問状に日向代表は名を連ねるが、同じく名を連ねる女優の杉本彩さんにも聞いた。

「不妊・去勢手術をせずに交配をコントロールするのは、あれだけの頭数がいれば常識的に無理。地震などの自然災害で犬舎や柵が壊れれば、多くの犬が野に放たれ、一気に繁殖が進みます。数字だけなら殺処分ゼロ達成は難しくありません。犬を生かしておけばいいのですから。しかし、その環境が見るに耐えかねるようなものなら、動物愛護ではない。SEKAI NO OWARIの協力を得て、『天才!志村どうぶつ園』に取り上げてもらうなど、広報活動は上手ですね。でも、セカオワの方々も動物を助けたいのでしょうが、このままでは世論をミスリードしてしまう。『志村どうぶつ園』にも、ピースワンコの主張をそのまま取り上げてはだめだと、訴えに行こうと思っていました」

 とまれ、こんな活動のために、ふるさと納税をした方々は、どんな感想をお持ちか。ふるさと納税について、一橋大学大学院経済学研究科の佐藤主光(もとひろ)教授は、

「NPO法人の活動資金に使われる場合、活動内容に問題があれば、自治体の責任が問われます」

 と言って、続ける。

「今回の件でいえば、動物愛護団体が犬に不妊手術をしないのは、重要かつ最低限のルールを守っていないことになる。また、殺処分ゼロが達成されていなかったとすれば、住民とふるさと納税の納税者に対し、自治体は正しい情報を伝えていないことになります」

 その点を神石高原町の入江嘉則町長に尋ねると、

「不妊・去勢手術って、基本的に飼い主の意思じゃないんですかね? 犬って生まれたら去勢とか避妊しなくてはいけないんですか? 僕、無知なんですけど」

 こりゃ、ダメだ。

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