高樹沙耶「大麻と私」全告白(上) 家宅捜索に「これで終わった、と思った」

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■月に4、5回

手前の男性が森山氏

 なぜ、私が大麻を使うようになってしまったのか。

 それは、森山さんとの出会いがきっかけでした。

 森山さんは、安静時狭心症という心臓発作がいつ起こってもおかしくない病気を抱えている。もともと東京で土木会社を経営していたのですが、大麻解禁の活動を通じて私と知り合い、一緒に石垣島に移住してきた。それからも、5回ほど心臓発作を起こしています。

 根治はできず、ニトログリセリンを服用するくらいしか対処法はない。でも、森山さんは病院に行くのを嫌がり、「僕はいつ死ぬかわからない。ならば、医療大麻に効果があるのかどうか実験台になって試したい」と言い出したのです。その結果、石垣島に移ってきてから1年ほど経ったころには、日常的に大麻を吸引するようになっていた。

 私は、森山さんの幸福追求権に基づく行為だからと、目の前で大麻を吸われても、それを受け入れました。ただ、どこで手に入れたのか、どこに隠しているのかは絶対言わないでと約束させたのです。それから2年ほど経った14年の夏のこと、私は右上の親不知を抜歯しました。すると、頭や首の痛みに悩まされるようになった。レントゲンを撮っても異常はなく、結局、原因はわかりませんでした。そこに、年齢からくる更年期障害やコテージ建設の肉体労働の疲労が重なった。私が度々、「痛い、痛い。でも、薬は服(の)みたくない」と訴えていると、ある日、「これ、使えば」と森山さんが大麻を勧めてきたのです。大麻の効能は承知していたつもりでしたから、不調から逃れられるのではないかと思った。それに、大麻解禁を唱える立場として、正直試してみたいという気持ちも常にありました。だから、それほどの躊躇もなく、手にしていたのです。それ以降、私が辛そうにしていると森山さんが差し出してくるようになりました。多いときで月に4、5回は吸った。選挙に出て、公職を得ようとしたころも変わらなかった。世間を欺いているという感覚が完全に麻痺していました。

 最後に使ったのは、逮捕の2日前でした。以前住んでいた千葉・南房総の家がようやく売れ、その手続きに上京したところ、飛行機の気圧の関係からか、体調がまた悪くなってしまったからです。

 石垣島ではだいたい夜11時に寝ていたのですが、その2時間前に大麻を吸うことが多かった。場所は、母屋の居間です。葉タバコに使うヴェポライザーという器具で吸っていました。大麻を熱すると、カンナビノイドという成分を摂取することができる。

 私の場合、大麻を吸うと身体が温まる感覚になり、良く眠れました。

 ***

(下)へつづく

独占手記「判決下る!『なぜ禁断の実に手を出したのか』 『大麻と私』全告白 元女優 高樹沙耶」より

週刊新潮 2017年5月4・11日ゴールデンウイーク特大号掲載

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