ムーニーCMが不評で「トイレの神様」植村花菜がとばっちり

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 トイレには~それはそれはキレイな女神様がいるんやで~♪ という歌詞、未だに覚えている方も多いだろう。2010年シンガーソングライターの植村花菜が祖母との思い出を歌った「トイレの神様」のサビである。一瞬耳を疑うような歌詞だがこれが大ヒット。紅白出場まで果たしめでたく“孫”としての任務を果たしたと言えよう。その植村花菜が今度は“ママ”となって帰ってきた。

<ムーニーが贈る、はじめての育児に奮闘するママへの応援歌「moms don't cry」>として植村の曲がYouTube上に公開されたのは2016年12月26日のこと。それが半年たった今になってムーニーの思惑とは逆方向で話題となっているのだ。

■保湿もご飯もサッとしなきゃ

 その動画を実際に見てみると、乳幼児をひとりで育てる若い母親の姿が。そしてその母の姿とシンクロするように植村の歌が流れる。歌詞はこうだ。

「なかなか寝てくれない君 ぐずる声を聞くだけで 体がこわばる私がいる ずっとだっこの君 肩や腰が悲鳴を上げる 私の時間は全部君の時間 保湿もご飯も サッとしなきゃ 君は可愛いのに なんだかイライラしてしまって ほかのママが立派に見えて もっといいママでいたいのに」

 一生懸命ひとりで子育てをする母親の苦悩が綴られた後、歌詞はこのように続く。

「moms don't cry ママは泣いちゃダメだって思ってた moms don't cry ママは強くなきゃダメだって思ってた でも泣いて笑って一歩ずつ君と一緒に生きていく 泣いて笑って一歩ずつ 君と一緒に生きていく」

 まさにママの応援ソングと言える歌詞なのだが、何が視聴者を不快にさせているのだろうか。SNSを覗くと「これは酷い。いつか宝物になるから風呂も食事もガマンですか。女性一人が苦しむという世にも奇妙な世界ですかこれは。」「(歌詞に)父親一切出てこないワンオペ育児」「リアルに描いて風刺するならともかく、助けのない母親のみの育児を礼賛するのは不快です。母親の一人密室育児が原因で産後鬱や児童虐待が起こる現実をなんだと思っているんですか?こういった感動的に消費する表現は奮闘する母親を更に追い詰めるものではないですか?」と言った声が。つまり「ワンオペ育児を礼賛しているのでは?」というのが視聴者からの指摘なのである。

■女はトイレを掃除しろ

 さらにその批判の矛先は植村にまで向き、SNSでは「とばっちりで植村花菜という歌手も嫌になったよ、ムーニー」「ようやくムーニー を見た。植村花菜ってトイレの神様だものね~耐えた分だけ良いことがある風に歌っちゃうわね~。あちゃ~」「植村花菜ってちょっと前に『トイレの神様』っていう「女はトイレを掃除しろ、そしたら美人になれる。トイレに綺麗な女神様がいるから掃除したらその御利益があるから。」みたいな歌みたいなクソ出してた奴だよね。」などと言われる始末。

 もちろん中には「植村花菜さんも大変だな。ワンオペの末に働きに出るかなんかで、おばあちゃんに預けられてトイレ掃除を教わる……」なんて同情めいた声もある。ムーニーを販売しているユニ・チャームは動画の取り下げはしないようだが、応援歌と思って作った曲が非難の対象となるとは、トイレをせっせと磨いて気立てのいいお嫁さんになるのが夢だった植村には、全く予想できなかったに違いない。 

デイリー新潮編集部

2017年5月10日掲載

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