「教育資金」「タワマン」節税で思わぬ落とし穴 失敗の実例に学ぶ「相続税対策」

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■税務署から睨まれた「タワマン節税」

 また、タワーマンション投資を用いた、いわゆる「タワマン節税」も話題です。

 節税のカラクリは、通常のマンション投資と変わりませんが、タワマンの場合は、それ以外に「プレミア」が付加されます。というのも、現時点でのタワマンの相続税評価は、持ち分が同じであれば1階の部屋でも、60階の部屋でも変わらない金額なのです。

 時価で見れば1階は1億円、60階は3億円ほどの開きがあるにもかかわらず、評価額はどちらも6000万円なんてこともあり得る。

 ただし、この節税方法を巡ってはこんな事例が取り沙汰されました。

 認知症の父親が亡くなる1カ月前に、息子が父親名義で約3億円のタワマンを購入。相続税評価額は約5800万円だったので、時価の約80%も圧縮した。ちなみに、息子はこの部屋を一度も使用することなく、1年後に購入時とほぼ同額で売却しています。これが税務署に睨まれました。あまりに露骨な「納税回避」ということで国税不服審判所にかけられたのです。その結果、時価と同等の約3億円が評価額として相当という判断が11年に下されました。

 タワマン節税は「脱税」ではなく、一定の効果が見込めるのも事実です。この事例のように、父親が亡くなる直前に購入し、相続した直後に売り払うといった度を越した行為でなければ、税務署に目をつけられることも通常はありません。ただ、政府も規制に乗り出そうとしているため、今後は注意が必要となるでしょう。

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