他人事ではなかった介護殺人の恐怖 「橋幸夫」認知症の母との6年間

社会週刊新潮 2017年4月6日号掲載

■他人事ではなかった「介護殺人」の恐怖(1)

 愛している、だからこそ殺す――。超高齢社会の日本では今、こうしたおぞましくも哀しい事件が相次いでいる。介護殺人。家族の面倒を見るのに疲れ果て、あるいは将来を悲観して殺(あや)める。「他人事(ひとごと)」にも思えるが、介護体験を持つ著名人は「身近」に感じているのだった。

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 新大阪駅から車で約30分、国道を折れて150メートルほど進むと、突如「昭和」が現れる。もたれ合うように軒を連ねる、今にも朽ち果てそうな木造2階建ての長屋。路地に並ぶ錆(さ)びついた自転車や枯れきったプランターの植物が、ここに暮らす人々の生活が楽なものではないことを物語る。

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