カッターナイフを父の病室に… 荻野アンナが語る「介護」の実体験

社会週刊新潮 2017年4月6日号掲載

■他人事ではなかった「介護殺人」の恐怖(3)

 作家で慶応大学文学部教授の荻野アンナ(60)は、介護するなかで、自分でも訳も分からず「凶器」を準備したことがあった。

「私は事実婚のパートナー、父、母と、3人を介護してきました」

 と、荻野本人が回顧する。母親が鬼籍に入ったのは一昨年で、計20年に及んだ介護生活。なかでも悪性リンパ腫や腸閉塞を患い、10年に亡くなるまで15年間続いた父親の介護では、彼女はあと一歩で惨事になりかねない「狂気」に走っていた。

「ある病院から次のリハビリ病院に移ると、父は『なぜ私をこんなところに閉じ込めるんだ』と騒ぎを起こし、担当の医師から『もう、うちから出て行ってください』と連絡が来たんです。

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