小池都知事、“豊洲を争点にしない”のトーンダウン 築地市場の汚染発覚で

国内 政治

  • ブックマーク

Advertisement

■豊洲を争点にしない

「このことを質問された小池さんは“築地はコンクリートなどでカバーされ、基本的に汚染の問題はないという認識です”と安心宣言を出しているのです」(都庁担当記者)

 京都大学大学院教授の米田稔氏(都市環境工学)も言う。

「築地市場に汚染の問題はないというのは考え方として正しい。地下水も、築地は水道水を使っているのでやはり心配ありません」

 ただし、と米田氏は続ける。

「小池都知事の考え方でいけば、豊洲も大丈夫と見ていいはずです。豊洲では他にベンゼンも検出されていますが、これもコンクリートの層があるので、地上に影響は及ぼしません」

 ますます、小池都知事が豊洲市場にストップをかける理由が分からないのである。

 先の都庁担当記者が謎解きをする。

「小池都知事が、もし、都議選前に豊洲移転を決断してしまえば、これまでの主張をひっくり返すわけですから、都民ファーストの会は負けるでしょう。だから、自分に不利なデータがどんどん出て来ても、認めるわけにはいかないのです」

 やっぱりと言うべきか、小池都知事、築地の汚染が明らかになると「(豊洲を)都議選の争点にはしない」と言い出した。

 築地市場協会会長の伊藤裕康氏も呆れるのだ。

「小池さんは皆が積み上げてきたことにストップをかけているだけ。そして意見をコロコロ変える。今になって『市場のあり方戦略本部』なんてものを立ち上げていますが、じゃあ、これまで何をやってきたのか」

 都議選に不利なことは何もやりたくないのだろう。

ワイド特集「花も花なれ 人も人なれ」より

週刊新潮 2017年4月6日号掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。