「トランプ」娘婿、謎の中国人と不動産ビジネス

国際

  • ブックマーク

Advertisement

■トウ小平の孫娘<

 中国問題に詳しい富坂聰拓殖大教授が言う。

「安邦は04年の設立で、中国石油など錚々たる企業が出資しています。会長の呉小暉は51歳で浙江省の生まれといわれていますが、注目すべきはトウ小平の孫娘と結婚していることです。また、同社には中国十大元帥の1人、陳毅将軍の息子や朱鎔基元首相の息子も役員に入っていることから、中国共産党系の会社と見ることが出来る。欧州の保険会社などを次々と買収しており、共産党の世界戦略の一翼を担っていると思われます」

 さらに怪しいのはクシュナーと呉会長の関係である。

 同社は14年に、ニューヨークの名門ホテル「ウォルドーフ・アストリア」を買収。昨年11月には、呉がクシュナーをホテルに招いて1本24万円のワインでもてなしたと報じられた。トランプ大統領が当選した直後のことだ。

「『クシュナー・カンパニー』は4億ドルの出資を得て、『666ビル』の再開発に着手し、きれいにしたあとは70億ドルの価値のあるビルになるだろうと見られています」(前出の特派員)

 国際ジャーナリストの堀田佳男氏が言う。

「ニューヨークの不動産関係者によれば、安邦からの4億ドルはクシュナー家にとって非常に有難い話だそうです。ピーター・ナヴァロやスティーブン・バノンらのように、対中強硬派がホワイトハウスにいるなかでクシュナーは穏健派。南シナ海の問題でも、中国に味方して欲しいという意図ではないかという見方もあります」

 中国には、こんな有名な諺もある。

 将を射んとすれば、まず馬を射よ。

ワイド特集「贈る言葉」より

週刊新潮 2017年3月30日号掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。