WBC侍ジャパン初戦 キューバの快刀乱麻を凌げるか

野球 週刊新潮 2017年3月9日号掲載

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 いよいよ、WBCの1次ラウンドが開幕する。英ブックメーカーのオッズでは、前回優勝のドミニカ、米国に続いて、3番人気の侍ジャパン。2大会ぶりの世界一を狙うが、まずは初戦の相手、キューバの快刀乱麻を凌ぐことができるか。

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WBCの1次ラウンドが開幕(写真はイメージ)

 3月7日、東京ドームで行われる侍ジャパンとの一戦で、キューバの先発ピッチャーはラザロ・ブランコ(31)が有力視されている。

 メジャーリーグ研究家の友成那智氏が解説する。

「昨シーズン、国内リーグで14勝を挙げた右腕です。防御率は球界トップの1・63。キューバには3割打者が大勢いますから、日本なら防御率1・20くらいに相当する数字です。コントロールの良くない投手が多いキューバにおいて、ブランコは制球力を備えているうえに、150キロ超の速球と切れ味鋭いスライダーを武器にしている。侍ジャパンの打者もてこずるかもしれません」

 他にも、ブラディミール・バノス(34)やブラディミール・ガルシア(28)など実力派ピッチャーを揃えているという。

「バノスは、シュートとスライダーを低めに集め、ゴロを打たせて取るピッチャーです。侍ジャパンとの初戦では、ブランコとはまったく異なるタイプとして、2番手投手に送り込まれる可能性が高い。また、ガルシアはキューバ最速の本格右腕で、188センチの長身から155キロの速球を繰り出す。近いうちにドミニカやハイチに亡命して、メジャーを目指すのではないかと言われています」(同)

■不安要素

 一方、迎え撃つ侍ジャパンは、ロッテの石川歩(28)の先発起用が濃厚だとされている。150キロを超えるストレートに、スローカーブ、シンカーなど多彩な球種を持ち、三振の取れるピッチャーだ。

 しかし、スポーツ紙の記者によれば、

「WBC前回大会後、キューバでは複数の主力野手が亡命し、現在、メジャーなどに移っている。とはいえ、いまのチームにも体格に優れ、当たればホームランになってしまうパワーヒッターはまだまだ残っています」

 とりわけ、要となるのが、ユリスベル・グラシアル(31)と元巨人のフレデリック・セペダ(36)である。

「グラシアルは、昨シーズンのカナディアン・アメリカン・リーグで打率3割2分の成績を残した三塁手。また、セぺダは巨人に在籍した2年間は活躍できなかったものの、キューバでは球界の至宝と呼ばれ、前回大会では4番を務めていました」(同)

 簡単に、キューバ打線を抑えることはできないのではないかという。

 メジャーリーグ評論家の福島良一氏の話。

「なにより、小久保裕紀監督の采配に不安要素があります。短期決戦では守りを固めることが重要なのに、打撃重視でスタメンを決める傾向が強い。また、継投策についても、中継ぎと抑えの役割分担を投手にはっきり伝えていないため、実力が発揮しづらくなっている。チームのレベルが拮抗すれば勝負の行方は後半に持ち越され、リリーフ陣がゲームを左右することになるわけです。優秀な投手の駒を持っていても、使いこなせなければ意味はありません」

 まさか、いきなり初戦で躓くか。

ワイド特集「春の嵐おさまらず」より