10代にも有望選手 五輪新種目「クライミング」メダルの可能性

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「スポーツ・クライミング」なる競技が東京五輪で加わる――というのはご存知の方も多かろう。その競技で男女ともメダル有望、というのはご存知だろうか。

「クライミング」は、人工壁を登る3つの種目――短距離走のように速度を競う「スピード」、走り高跳びのように高さを競う「リード」、そしてさまざまな難度の壁をいくつ登れるかで決まる「ボルダリング」――の複合競技である。

「そのうち、ボルダリングは男女とも日本が圧倒的な強さを誇ります」

 と競技を主催する日本山岳協会関係者が語る。

 男子の現世界ランク1位、2位は日本人。女子も2位、4位を日本人が占めている。

「リードもトップレベル。スピードだけが、国内に施設が1カ所しかないこともあり後手に回っていますが、それも心配ご無用。3月に五輪での採点法が決まってから本腰を入れます。世界的に未成熟の種目ですから、すぐにトップレベルになれる、と楽観視しています」

 鍵を握るのは成熟種目の「ボルダリング」らしいが、その日本一を決める「ボルダリングジャパンカップ」が先頃、代々木第二体育館で催された。

 優勝は、男子が世界2位の藤井快(こころ)(24)。驚くべきは女子で、19歳の“世界2位”は銅で、27歳の“4位”は銀。二人を抑えて頂点に立ったのは、14歳の伊藤ふたばだった。なお、4位には13歳の森秋彩(あい)が続いた。

 若手の台頭に相違ないが、種目の特性にも一因がある。

「体操競技をイメージしてください。女子は、平均台などがあって、筋力よりバランス感覚が試されますよね。ボルダリングも、パワー重視の男子と比べて、女子の場合は“身のこなし”が求められる。そのため、体操と同様、中学生が大人に勝ることも珍しくないのです。伊藤と森は、キャリアのピークとされる10代中・後半に東京五輪を迎えることもあり、メダルが十分期待できます」

 ただし、不安要素もある。

「ピーク直後に“壁”があるんです。女の子は膨らみを帯びて大人の体型になりますよね。そこでダメになるパターンが多いんです」

 成長しないで、とは言えないか。

週刊新潮 2017年2月9日号掲載

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