坂上忍、スポーツ中継にモノ申す「解説者はプロなんだからネガティブなことも言っちゃって!」

芸能2016年10月24日掲載

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坂上忍さん

 プロ野球の日本シリーズ、サッカーのワールドカップ予選など、注目のスポーツ中継は五輪後も後を絶たない。しかし「お祭り騒ぎ」のような中継に、違和感を抱く人も多いのではないか。

 スポーツ観戦が大好きだという俳優の坂上忍さんも、新著『スジ論』の中で、昨今のスポーツ中継に対して、「ちょっと違うんじゃないの」と自説を述べている。第5章「世知辛いこの世へ文句をつける」の中から抜粋して、引用してみよう。

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■解説者はファンじゃないだろ!

 選手達のプレーをより際立たせているのが、解説である。普段、何気なく耳にしている解説だが、基本、解説者はその道の経験者であり、わたしのような俄かファンには知り得ない知識の宝庫の持ち主達。経験者だからこそわかる一球の重みだったり、画面上では察することのできない選手の不安定な精神状態だったり……。解説ひとつで面白味が二倍三倍に増すと言っても言い過ぎではないだろう。

 でもね、そこなんですよ。わたしが不満を通り越して腹を立てているのは。

 先日も、バレーボールの世界戦の中継を観ていたら、まぁ褒めるわ褒める。ミスをしても「どんまい」、押されてるのに「まだイケる」。いやいや、あんた等はファンなのかと。

 もちろん応援する気持ちはみんな一緒なわけです。会場の観客も、テレビにかじりついて観ている我々も、一生懸命応援している。

 でもね、解説者は違うでしょ。解説してはじめてギャラがもらえるんじゃないんですか? なのに、ワーワーギャアギャア。アナウンサーと一緒に声を張り上げて、含蓄の欠片(かけら)もないコメント連発されたってさ。

■プロならネガティブなことから逃げるな

 いつからこんなことになっちゃったんですかね。アナウンサーの過剰な盛り上げ実況はさておき、解説者がネガティブな発言から逃げるようになってしまったのは……。そりゃあね、言い過ぎはよくないですよ。でも、言わな過ぎっていうのは解説者として如何なものかと。

 だって、アナウンサーは立場上マイナスなことが言えないっていうのはわかりきったことで、だったら、プラスだマイナスだ、ポジティブだネガティブだって括りなんてどうでもいいから、その道を極めた先人だからこその苦言であったり、ここ一番の本音のコメントは必須だとおもうんだけどな~。

 解説者さん達も元スポーツ選手という肩書より、タレントに寄った結果なんですかね。テレビの反響って、やっぱり大きいですから。

■愛があるなら言いたいこと言ってよ

 あんまり昔話はしたくないんですが、昔は野球なら西本聖さんや豊田泰光さんの解説は面白かったな~。解説っていうより説教に近い時もありましたから。そう考えると、今となっては野球なら野村克也さんと江本孟紀さん、サッカーだったらセルジオ越後さん、ゴルフはやっぱり青木功さんですか。ほんとそれぐらいですよ。

 でも、人によって好き嫌いはあるでしょうが、ノムさんのボヤき解説なんてとっても愛を感じますけどね。セルジオさんも然り、たまに「ん?」と感じる発言もあったりしますが、サッカーを愛する気持ちがわかるから聞き入ってしまう。

 テレビに寄ったぬるい解説もどきなんて聞きたくない。その競技に対する愛があるなら、言いたい放題言っちゃってくださいよ!

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 選手たちは常に必死でプレイをしている。それだけに、解説者も無意味にはしゃいだり、根拠なくくさしたりするのではなく、解説者としての「プロ根性」を見せるのが「スジ」だと思う人は多いのではないだろうか。

デイリー新潮編集部