小沢一郎、共産党大会にサプライズ登場 思惑は

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急遽出席

 ローマ神話におけるキューピッドは金と鉛、2本の矢を持つ。金の矢で射ぬかれた者はたちまち恋に落ちるが、逆に鉛の矢は憎悪の念を抱かせるという。翻って、来るべき衆院選に向け、野党共闘のキューピッド役を自任するのは、自由党の小沢一郎代表(74)である。

「15日、熱海で日本共産党の党大会が開かれました。一番のサプライズは小沢さんが駆けつけたことです」

 と、取材した政治部記者。

「小沢さんは海外旅行中で、当日は森裕子参院会長が登壇する予定でした。しかし、前日に穀田国対委員長に直接電話があり、“どうしても参加したい”と旅行を切り上げ、急遽出席することになったのです。野党共闘を加速するために出席を決断したそうです」

 党関係者も鼻息が荒い。

「大会後、志位委員長は“小沢さんが来てくれて、党大会は100点、いや200点だな”とご満悦でした」

 とはいえ、民進党を含む野党共闘が難航しているのはご承知の通り。蓮舫代表と野田幹事長が共産党と相容れない連合との関係を重視しているためだ。

「09年の政権交代につながった選挙では、当時、民主党の小沢さんが不破哲三氏と話をして、共産党の候補者を取り下げさせている。今回、民進党との交渉が更に難航すれば、再び小沢さんが不破さんや志位さんに頼んで候補者を調整させるでしょう」(先の記者)

 一方、こう指摘もする。

「小沢さん主導なら、自らの子飼いを野党統一候補にしようとする。例えば、次期衆院選には、小沢さんの元秘書が出馬予定。民進党と選挙区が競合しているので、馬淵澄夫選対委員長は警戒するでしょうね」(同)

“剛腕”が放つ矢は金と思いきや、鉛のこともあるのだから、要注意。

週刊新潮 2017年1月26日号掲載

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