韓国で大ブレーク、日本人アーティスト「カンナム」とは

芸能週刊新潮 2017年1月12日号掲載

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 先頃も釜山に慰安婦像が建てられるなど、日韓両国には相変わらず不穏な空気が漂っている。ところが、そんな韓国にあって大人気の日本人タレントがいる。「カンナム」という芸名で活躍する29歳の青年だ。

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韓国ではビルも建てた(写真:所属事務所提供)

「お母さん賞とったど〜!」

 カンナムがソウルの街を歩くと、皆そう言って真似をする。2016年の「SBS芸能大賞男性新人賞」に輝いた際の第一声だ。本名は滑川康男。日本では、こちらの名前でテレビに登場したこともあるが、知名度はもちろん韓国の方が圧倒的だ。韓国の芸能事情に詳しいレポーターによると、

「カンナムは『康男』を韓国語読みした発音から取った芸名です。SBSは韓国の3大放送局のひとつですが、芸能人が南の島で過酷な自給自足生活を送る番組『ジャングルの法則』での活躍が評価されて受賞となったのです」

 ほかにも、日本のNHKにあたるKBS2「不朽の名曲 伝説を歌う」という歌番組にも連続出演するなど、歌唱力も認められている。特徴的なのは、両番組とも若者からお年寄りまで幅広い層に支持されており、「お茶の間」の好感度が高いという点だ。

「カンナムは、まず謙虚で健康的なイメージがあります。それでいて父親世代よりも上の大物歌手やベテラン俳優にも物怖じしない。儒教の国・韓国では年長者に謙虚であることが前提ですが、バラエティ番組はそれだけではダメ。日本の芸能人のように“空気”を読み、イタズラをしたり笑いも取ることが出来るので重宝されているのです」(同)

 向こうのバラエティ番組ではマシンガンのように韓国語を操るカンナムだが、東京は江戸川区の出身である。日本人の父親と、韓国人の母親という家庭に育ったが、なぜ韓国の芸能界なのか、本人に聞いてみた。

■5回も退学

「僕、中学までは地元の公立に通っていたんです。でも、ぜんぜん勉強しなくて、“英語覚えてこい!”って14歳のときにハワイに留学させられた。そこでも勉強しなくて5回も退学になってしまいました」

 絵に描いたようなグータラ息子だが、ハワイで観た韓流スターのコンサートに衝撃を受ける。帰国後、横浜のインターナショナルスクールからテンプル大学日本校に進学。ある日、赤坂のカフェで韓国の芸能事務所にスカウトされたことが転機となった。2011年のことだ。

「お母さんが韓国人なので、家では韓国ドラマを毎日のように見ていました。それで聞き取りは出来たんです。韓国ではアナウンサー学校にも通いました。“発音出来ないとクビだ”って脅かされてましたから」

 スタートは音楽グループのボーカルだったが、火が付いたのは3年前にバラエティ「学校に行ってきます」で、ヘンな韓国語を喋る若者として注目を浴びてから。向こうの芸能界にはないキャラクターが受けると、次々にレギュラーが舞い込むようになる。仕事が増えるとローンを組んで5階のビルを建て、堅実な暮らしをしている様子も向こうのテレビで紹介された。

 ところで、日本人として韓国で活動していてやりづらさを感じたことはないのだろうか。

「全然ないです。芸能人の方たちも日本のこと好きだし。あったら、もっとストレス溜まっていたでしょうね」

 あっけらかんと話すカンナムだが、次の目標は日本の芸能界への“逆上陸”だそうである。

ワイド特集「年を跨いだ無理難題」より