今や古本だけじゃない! 目利きでなくても「せどり型投資」

食・暮らし週刊新潮 2016年12月15日号掲載

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 もともとは、古本業界の用語だった“せどり”。掘り出し物を転売して利ざやを抜くという商売だったが、インターネットの普及で、業界は様変わり。書籍だけでなく、CD、家電、携帯電話など幅広い商品を扱い、“せどらー”と呼ばれる専門職も現れている。

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せどらーにはかかせない(モノレートHPより)

 3年前からせどらーに転身したという、上杉征士氏が商売のコツを説明する。

「現在、初心者でも利益を上げやすい商品としてお薦めしたいのは、ガラケーです。生産量が少なくなっているので、中古市場で値上がりしているものが多い。例えば、私はリサイクルショップで、auの“GRATINA”というシリーズのガラケーを7560円で仕入れ、アマゾンで1万3800円で販売し、同じく4000円のものも6980円で売りました。だいたい、仕入れから2週間以内には売買が成立しています」

 仕入れは、週に1回。ブックオフやゲオ、家電量販店などを十数カ所まわるという。

「店舗で目ぼしい商品を見つけると、スマホで、せどり用のアプリを起動し、商品のバーコードを読み取ります。すると、一瞬で、アマゾンでの新品と中古品の値段、カテゴリーごとのランキングが出てくるようになっている。そこで、少なくとも30%の価格差のあるものを選びます。さらに、今度は、“モノレート”というサイトを見て、その商品の過去の売れ行きと価格の推移などを確認し、利益の確保ができると判断したら購入します」(同)

 そして、仕入れた商品の9割はアマゾンの出品サービス「FBA」を利用し、アマゾンの倉庫に預ける。わずかな手数料で、客からの注文の取り次ぎから発送まで代行してくれるという。

「せどりでどれくらい儲かっているかというと、家電の売上が月にだいたい350万円、さらに、本のせどりにはアルバイトを雇っているのですが、それが月に80万から100万円。どちらも、利益率は25%ほどなので、月に純益として70万円ほど稼いでいます」(同)

■せどりの王道

 造園業が本業のせどらー、ナポレオン神田氏にも聞くと、

「モノレートを見れば、確実に売れるものを仕入れることができるので、“後出しじゃんけん”と同じで、基本的に勝てる商売です。これから始めようとするのなら、いわゆる“ブックオフせどり”が取っつきやすい。ブックオフで、本やCD、ゲームなどを仕入れ、アマゾンで売る。これが、せどりの王道です。また、季節ものに目を向けるのもいい。クリスマスシーズンにはおもちゃやゲームの需要が増え、正月近くになると、年賀状印刷のプリンターの値段が上がります」

 さらに、廃番商品はプレミアがつくことが多いため、チェックすべきだという。

「11月に、任天堂のゲーム機『Wii U』の生産終了がニュースになりましたが、その直後から価格が上昇し始めました。他にも、昨年の暮れに、太陽誘電とTDKがCD‐Rの生産から撤退すると、それも2倍くらいの値段にはね上がった。また、人気のあったおもちゃなども、押入れに寝かせておけば、生産終了後に値上がりすること間違いなしです」(同)

 いまでは、せどりに目利きは必要なく、誰でもできる商売になったのだ。

特集「株も為替もつまらない『拗ね者』のための奇抜な投資術」より