共産党候補乱立、背景に「イブキングvs穀田恵二」

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日本共産党中央委員会

 交渉の鉄則はギブ&テイクと言うけれど、相手に見透かされたテイクはただの下心。衆院選に向け、全ての選挙区に候補者を立てようとしている日本共産党に、是が非でも手に入れたい条件があるという。政治部デスクの解説。

「5日、1次公認候補の254人が発表されましたが、それはあくまで建前。全国295選挙区のうち、最終的に220は取り下げることになるでしょう」

 なぜ、これほど擁立しているかと言えば、

「野党共闘の交渉材料にするためです。民進党に対し、ここはうちが引くから、こちらはあんたが引いてくれ、と。その中で共産党が最重要視しているのは、京都1区。イブキングこと、自民党の伊吹文明さんと共産党の国対委員長・穀田恵二さんが対決する選挙区です。前回選挙は、伊吹約7万票に対し、穀田は約5万。共闘となれば、伊吹さんといい勝負ができる。ここを勝たせるのが彼らの悲願なんです」(同)

 もちろん、事態はそう単純ではない。民進党の京都府連幹部は、

「ここを狙っているんでしょ? うちは候補者を立てるべく調整中ですよ。前原誠司さんも擁立に前向きですし、何より、京都で野党共闘などあり得ません。ここはもともと共産党の強い土地柄。これ以上、共産党が地元で躍進すれば、我が党の存在感が低下することになりますから」

 東京での共闘協議も、

「選挙区調整はまず、民進、社民、自由の3党で行うことになっています。志位共産党委員長が、野党共闘に向けてハードルの高い条件を突きつけていて、3党が反発しているからです。交渉がうまくいくとは限らない」(先のデスク)

 志位サン、そうは問屋が卸しません。

週刊新潮 2016年12月15日号掲載

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