国会を体調不良で退席した「川崎二郎」元厚労相にズル休み疑惑

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 宿題やってないし、先生に怒られるのヤだし、そう言えば何だかポンポンがゴロゴロする気もするし……。「お母さん、お腹痛いから今日学校休む〜」。このズル休みの定番も、小学生なら分からなくもないが、前期高齢者にやられては堪(たま)ったものではない。

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病気はもう治ったかな?(川崎二郎公式HPより)

 11月30日、自公両党は「リニア議連」を発足させ、会長には自民党の川崎二郎元厚労相(69)が就任した。三重県を地盤とする彼は、「東京一極集中から、名古屋、大阪に分散するため、早いリニアの全線開業を」と挨拶したが、それもそのはずで、彼はとにかく地元に早く移動したい事情を抱えているのだ──。

 11月10日午後3時から開かれた衆院本会議では、TPP(環太平洋経済連携協定)の承認案と関連法案の採決が行われていた。だが、今国会の最大懸案であるその採決の場に川崎氏の姿はなかった。「体調不良」を理由に退席したのである。

〈TPPは、聖域なき関税撤廃を反対し、粘り強く交渉〉

 かつて公約にこう掲げていただけに、採決で賛成するのはいかにもバツが悪かったところで、ちょうどタイミング良く、「奇跡的」に腹痛が襲ってきたということなのだろう。ところが、

「その日の夜、こっち(三重県)で川崎先生を見ましたよ」

 と明かすのは、三重県伊賀市の市議のひとりだ。

「(11月)13日に投開票が行われた伊賀市長選挙の応援演説に、彼は駆け付けていました。市内の集落センターで、夜8時過ぎから20分ほど演説をされ、とてもお元気そうでしたね」

 別の県政関係者が続ける。

「その演説の30分ほど前にも、川崎先生は別の公民館での演説会に参加されていましたよ」

 東京駅から新幹線で名古屋駅に行き、そこから電車を乗り継いで伊賀市に辿り着くには最速で約4時間。11月10日の午後3時以降に永田町を出た川崎氏に病院で診察・治療を受ける暇はなかったはずで、自力で体調不良を克服し、超特急で地元に駆け付けたことになる。リニアが開業すれば移動時間が短縮され、途中で病院に寄る時間が取れたのに、と彼が切歯扼腕するのも無理はない話なのである。

 ──こう考える「おめでたい人」は、おそらく川崎氏以外にはおらず、要は彼は典型的なズル休みをしたわけだ。それも、学校を休んだ後に、外で元気に遊ぶ姿を見られてしまうという、小学生でもやらない極めて出来の悪いズルを……。

 川崎事務所は、

「こういうことにはお答えしていません」

 と、意味不明な回答。

 政治アナリストの伊藤惇夫氏が呆れる。

「本会議での採決が国会議員にとって最重要の仕事のひとつであることは言わずもがな。川崎氏の行為は、体調不良で国会を欠席したのに旅行をしていたと報じられた維新(当時)の上西小百合氏と同じです」

 小学校での再教育が望まれる、「幼稚な前期高齢者」の川崎クンなのだった。

ワイド特集「師走の忘れ物」より

週刊新潮 2016年12月15日号掲載

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