トランプを取材した日本人が語る“ナイスガイ”な素顔

国際 週刊新潮 2016年11月24日号掲載

  • ブックマーク

 新大統領の素顔を垣間見た貴重な日本人がいる。かつて彼にインタビューした、国際経営コンサルタントの植山周一郎氏(71)だ。

 トランプタワーの社長室を訪れたのは1988年6月13日。当時、日本はバブル絶頂期、トランプ氏も“若き不動産王”と呼ばれていたという。植山氏が語る。

「彼の印象は、とてもナイスでした。ハンサムで穏やかだし、言葉を選んで話していた。当時のレーガン政権は間違っているという主旨の全面広告を新聞に出していて、政治にも非常に興味を持っていました」

 そこで、日本に対する印象を聞いてみると、

「彼は『日本人は頭がいい。アメリカの馬鹿な政治家と交渉して米軍にほとんど費用を払わず、安全保障を手に入れている。それで大量の日本製品を米国に輸出して莫大な利益を上げている』と話していた。ただ、話の中身は日本批判でも、『日本人を尊敬している』などとも言うので、気配りのできる賢い人だという印象が残っています」(同)

 我々の知るトランプ氏とは、ずいぶん印象が違う。もっとも、その頃から米国と日本の関係は不公平だと感じていたようだ。植山氏がインタビューの最後に、

「『そんなに政治に興味があるなら、将来、大統領選に出るつもりはないか』と訊ねると、『アメリカの政治家が今後もお粗末な政治を続けるなら、出馬する時期が来るかもしれない』と答えた。大統領選では、票を獲るためにパフォーマンスをしていたのでしょう。勝利演説を聞いて、ナイスガイの彼に戻ったと思いました」

 実は、したたかな男なのかもしれない。

特集「差別と憎悪の渦から生まれた『トランプ大統領』25の疑問」より