日本人は「トランプ大統領」を嗤えるのか? 歴代総理の「値打ち」を振り返ると……

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■ビンボー人が支持をした

 ドナルド・トランプ氏が米国の次期大統領に選ばれたことについては、さまざまな分析が行なわれている。
 日本のテレビなどでの一つの定番は、次のようなものだろうか。

「トランプ氏の言動は過激で、時に差別的なものであった。米国のインテリ層はこれを強く嫌ったが、一方で現状に強い不満を持つ低~中所得層、特に地方の白人が熱狂的に支持をしたことで、大番狂わせが起きた」

 このような見方は、米国にもあるのだろうが、よく考えると、これ自体が差別的な感じがしないでもない。言葉を選んでいるものの、平たく言い換えれば、
「無茶苦茶言うオッサンだから、賢い人は嫌った。でも、恵まれていないビンボー人や、知識の足りないイナカの奴らが支持したんで、こんなことになってしまった」
 と言っているも同然だからだ。

 こういう「説」を口にする人たちの一部は、米国の低所得層や地方の人をどこかで蔑視しているのかもしれない。

■歴代総理を採点すると……

 しかし、では私たち日本人は、そんなに立派なトップを選んできたのだろうか。歴代の総理は、立派で有能な人格者揃いだったのだろうか。
 このあたりを考えるのに役に立つのが、『総理の値打ち』(福田和也・著)だ。

 同書は、福田氏が伊藤博文から現在の安倍総理までの功罪を評価して、独断と偏見も交えながら100点満点で採点するという趣向。
 その採点基準は以下の通りだ。

 90点以上 世界史に銘記されるべき大宰相にして大政治家
 80点台  国運を拓き、宰相として国史に長く刻まれるべき政治家
 (略)
 30点台  益全くなし。総理の名に値せず
 30点以下 明確に国を誤り、国家社会に、重大な危難をもたらした。もしくは後世に多大な弊害を遺した。

 この基準で福田氏が採点した結果、あまりにも在任期間が短くて(64日)、「採点不能」扱いになった羽田孜を除き、「30点以下」とされた総理が、平成以降だけで以下の通り、7人もいることになっている。
 村山富市(28点)、森喜朗(30点)、安倍晋三(第一次=27点、※第二次以降=50点)、福田康夫(28点)、麻生太郎(30点)、鳩山由紀夫(26点)、菅直人(25点)。
 
 もちろん、これはあくまでも福田氏個人の採点に過ぎないので、異論反論のある方もいらっしゃるだろう。菅さんが見たら、「なぜ俺が“あの人”より低いんだ!」と怒り出すかもしれない。その怒りは理解できなくもない。
 ただ、はっきりと言えることは、私たちの選んだ総理も、決して威張れる人ばかりではないということだ。たとえ間接民主制にしても、国民が選んだことに違いはないし、そもそも日本が大統領制になった場合に、「より良い人材」が選ばれる保証もない。
 ちなみに同書での「最高点」は伊藤博文(91点)、「最低点」は近衛文麿(17点)。
 米国民の選択に対して、あれこれくちばしを挟む前に、日本人が考えておくべきことがあるのではないだろうか。

デイリー新潮編集部

2016年11月17日掲載

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