AV出演強要問題 「村西とおる」監督が人権派弁護士に物申す

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AV監督・村西とおる氏

 いま、AV業界が「出演強要問題」に揺れている。今年3月、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、被害件数が4年間で93件にのぼるとする調査報告書を発表。さらに同団体の事務局長である伊藤和子弁護士は、業界の問題を「国連に訴え出ることで人権問題化し、解決する」との考えも述べている。

 こうした動きに異を唱えるのが、AV監督の村西とおる氏だ。現在発売中の「新潮45」12月号に「人権派弁護士に物申す 女性を解放したのがAVである」を寄せた。

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 もちろん村西氏も、出演を強要するプロダクションの存在は論外であるとの立場である。その上で氏がまず指摘するのは、先の報告書にある「4年間で93件」という数字を針小棒大に捉えているのでは、という点だ。

〈伊藤和子弁護士の所属する弁護士業界では、2013年に98件、14年に101件の懲戒処分を受けた弁護士がおります(略)弁護士費用を受け取っていながら弁護活動をしなかったり、預り金を使い込んだり、との弁護士にあるまじき不祥事が続出しております〉

〈(AV業界に比べて)ダントツに多い被害件数があるからといって、手前どもは伊藤弁護士のように「一向に改まらない業界の問題を、国連に訴え出ることで人権問題化し、解決する」といった考えに立ちません。氷山の一角、との認識です〉※〈〉は本文より引用、以下同

 にも関わらず〈「国連へ問題提出」とエスカレートされてしまう〉伊藤弁護士の“姿勢”に、つづいて村西氏は言及する。

〈性を「忌わしいもの」と憎悪をなされている「性差別主義者」なのでしょうか。あるいは、慰安婦問題で「性奴隷」という言葉を世界に広められた方の一人という話もございますから(産経ニュース・7月25日)、AVの問題を国連に持ち込み(略)日本を貶めることが大好きな特定のイデオロギーに染まられているからでしょうか〉

 村西氏は、「AVは女性の性の人権侵害」との偏見にも“業界で働く女性たちに対するヘイト・スピーチだ”と切り込む。むしろ「女性を解放した」のはAVの存在だった――というのだ。

■旧態依然たる観念を払拭

 その象徴として挙げるのが、80年代半ばに発売された村西氏の監督作「SMぽいの好き」の“功績”である。暴行や痴漢など“女性の性を一方的に犯す”エロス映像が主流だった時代にあって、

〈当時、横浜国立大学在学中の学生であった黒木香嬢が、それまで男性に支配され、征服されてきた女性の性を、男性と拮抗し、それを凌駕する女性の本性、性の凄まじさを赤裸々に演じてみせられたのでした。

 この作品によって、女性はこれまでのようにその性を男性に所有されるものでなく、自分の性として人生を楽しみ、謳歌するものであっていいのだ、と多くの女性たちは刮目したのです。ナイスですね〉

 ほかにも氏は“村西節”全開でAVが変えた旧態依然の観念の例を挙げている。詳しくは「新潮45」本誌を参照されたい。

■「身のほど知らず」

 AV出演強要問題をめぐっては、これまでも業界人たちからの反論がなされてきた。業界の第一人者である村西氏の、

〈満足な国内での論議がなされないまま「日本のAV」を国連に持ち出し、「日本は女性蔑視の国」のレッテル貼りを画策するとは「身のほど知らずにもほどがある」というものです〉

 との意見は、大いに参考とすべきものではないだろうか。

新潮45 2016年12月号掲載

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