傘を手に駅でゴルフのスイング、料理しながらハミング、知らず知らずやってしまうあれやこれや……「なくて七癖」とはよくいったもので、ひとの内面はふとした瞬間に表に出るものだ。
上野の森の奥深く、東京藝術大学に棲息する学生もまた、例外ではない。ただ、ひがな一日芸術と向き合い、頭から足の先まで芸術に浸りきっている彼らの癖は、一般的なそれとは少々異なる。全学科の現役学生に話を聞いて『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』を書き上げた二宮敦人さんに、本には書ききれなかった逸話を聞いてみた。...
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「となりの山田くん」はジブリの黒歴史なのか 鈴木敏夫氏が語った「あえて興行成績を落とした理由」
スタジオジブリの作品といえば、「ヒット」の3文字とセットで語られることが常だが、30年の歴史の中で、初めて赤字となった作品をご存じだろうか。
1999年公開の『ホーホケキョ となりの山田くん』である。
空前の大ヒットとなった『もののけ姫』に続いて公開された同作品は、公開館数や宣伝の問題もあり、公開時には制作費を回収する興行成績をあげられなかった(その後、ビデオ化などで最終的に黒字化)。
しかし、実はこの敗戦、制作側ではある程度織り込み済みで、プロデューサーの鈴木敏夫氏は、こういう経験が必要だと当時考えていたのだという。...
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