上海に建った“中韓合作”慰安婦像 反日でメシを食う芸術家

韓国・北朝鮮週刊新潮 2016年11月3月号掲載

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「不可逆的解決」はどうなった

 すでに解決したはずなのに、また喧(かまびす)しく騒ぎ立てる。これは日本にとってのポルターガイスト、すなわち「騒霊」に他なるまい。韓国ソウルの日本大使館前で火が付いた慰安婦像問題が中国に飛び火した。上海師範大学に、今度は中韓の少女2人をモチーフにした慰安婦像が建てられ、10月22日に除幕式が行われたのだ。

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「最終的かつ不可逆的解決」

 昨年末の日韓合意で、両国は慰安婦問題についてこう確認した。にも拘(かかわ)らず、今回の「中韓合作」の「新慰安婦像」の設置は、いくら民間人によることとはいえ、合意の精神を踏みにじる行為以外の何物でもない。

「新慰安婦像は、中国人美術家と、韓国人彫刻家の金運成(ウンソン)夫妻の共同制作です」

 と、上海在住の邦人ジャーナリストが解説する。

「除幕式の前に開かれた国際会議には、中国内外から100人の関係者が集まり、慰安婦資料をユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界記憶遺産に登録すべきだとの声が上がりました。新慰安婦像は、そのシュプレヒコールの格好の『宣材』として使われたわけです」

 慰安婦像といえば、ソウルのものが有名で、日韓合意ではこれを撤去することになっていたのに、今もって実現していない。そして注目すべきは、上海の新慰安婦像を作った金夫妻は、ソウルの「元祖慰安婦像」の制作者でもある点だ。

■オランダにも…

 元朝日新聞ソウル特派員でジャーナリストの前川惠司氏曰く、

「その夫妻の『作品』を、私は慰安婦像以外に知りません。韓国には『反日』でメシを食っている人がたくさんいますが、彼らもそのカテゴリーに入るのではないでしょうか」

 実際、金夫妻は今年2月に来日し、

「元朝日新聞記者で慰安婦報道に携った、あの植村隆氏と同じワークショップに参加している。韓国では北朝鮮に近い極左活動家として知られています」(朝鮮半島ウォッチャー)

 上海の一件は、この筋金入りの反日芸術家、いや反日活動家夫妻による「仕業」だったというわけだが、大手メディアの上海特派員は、今後の「慰安婦像増殖」に関してこう危惧する。

「上海に慰安婦像を建てた目的は、慰安婦資料の世界記憶遺産登録にあります。したがって、それが実現するまでは、韓国よりも国際的影響力の大きい中国で、次々と慰安婦像が設置されていく恐れがある。さらに、中韓サイドはオランダに目をつけるのではないでしょうか。旧日本軍が、インドネシアに抑留されたオランダ人女性を慰安所に送り込んだスマラン事件を持ち出して、オランダでの慰安婦像設置を仕掛けることは充分にあり得ます」

 前川氏が嘆息する。

「慰安婦像は芸術作品を装っていますが、私に言わせれば芸術の名を借りたプロパガンダに過ぎない。最初にソウルの大使館前に慰安婦像が建てられた時、日本政府がしっかりと毅然とした対応を取らなかったことが悔やまれます」

 それは2011年12月、野田佳彦内閣時代のことだった。「騒霊」とともに、民主党政権の「亡霊」が、ジャック・オー・ランタンの如く未だに彷徨(さまよ)っているようである。

ワイド特集「浮き世のジャック・オー・ランタン」より