稲田朋美防衛相、“就任2カ月”通信簿は「落第」

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 防衛大臣たるもの、自らの“防衛”にも長けた人物であるはず――。

 その点、今回の彼女は一計を案じたのであった。7日から、稲田朋美防衛相(57)は南スーダンの視察に訪れた。防衛省関係者の話。

「駆け付け警護の任務付与のため、本来9月に視察する予定が、服用した抗マラリア薬のアレルギーでじんましんを発症。再び中止は許されないので、考えたのは、薬を飲まず虫除けスプレーでの対応でした」

 マラリアは防げても、国会においては防戦一方である。先月30日に民進党の辻元清美衆院議員から追及を受け涙ぐむ場面があれば、核保有検討という過去の発言や、2010年に海上保安庁の巡視船に衝突した中国漁船を公船と言い間違えるなどで、集中砲火を浴びた。

国を守るのに“赤点”では困ります

「前任の中谷元さんは官僚のメモを忠実に読む人ですが、稲田さんは省内で“これほど答弁に慣れていないのか”と呆れられ、勉強不足は明白です。そこで彼女は、大臣室で官僚がレクする際の資料の簡素化を指示しました。“膨大な資料は読み込めないので紙1枚にするように”と。要点をまとめろということです」(同)

 ところが、

「時に六法全書を持ち出しては法的根拠を求めてくるので、官僚は大慌て。同じ案件で何度も説明しないといけなくなり、負担が増大しています。9月の会見で、沖縄ヘリパッドへの自衛隊ヘリの派遣について、どんな法律に基づくのか質問されると、ムキになって答えていましたね」(同)

 自身が得意な法律論で有能さをアピールしているのか。政治アナリストの伊藤惇夫氏が“採点”する。

「採点不可の落第ですね。法的根拠は大事ですが、それだけなら法律家です。重要なのは、政治判断ができるかどうか。答弁が不安定な上、言葉に慎重な防衛省で用語の間違いは致命的です」

 大臣に任命したのが、そもそもの間違いだった。

週刊新潮 2016年10月20日号掲載

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