ヒラリーvsトランプの「テレビ舌戦」 識者はこう見た

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 大統領選の候補者2人が、9月26日夜(現地時間)、ついに激突した。テレビ討論会の結果は、今後の選挙戦に大きく影響するとされるが、直接対決の第1R、その勝敗の行方は……。

勝敗の行方はいかに…

 テレビ討論会直前の世論調査では、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官(68)が、共和党のドナルド・トランプ氏(70)を僅差で上回っていた。

 国際部記者が言う。

「討論会は計3回、一度に全米1億人が見るとされ、重要視されています。すべてが映るため、些細なミスも命取り。過去には、ヒラリーの夫、ビル・クリントンと対決したジョージ・ブッシュが、度々、時計を気にし、悪印象を与えました」

 もっとも、“暴言王”のトランプ氏は、事前に、クリントン元大統領の元愛人を、会場の最前列に呼ぶ、とぶち上げ、場外戦は相変わらず。ともあれ、「米国の進路」「繁栄」「安全保障」のテーマで行われた討論会だが、軍配はどちらに上がったのか。

「予想の範囲内でしたね」

 と言うのは、外交ジャーナリストの手嶋龍一氏だ。

「トランプは、暴言ありの場外戦ではなく、討論会というリング上で戦ったという印象です。彼は、候補者が慣例で公開する納税申告書を、未だに公開していないと指摘されましたが、ヒラリーが問題視された私用メールを公表したら、俺も出すとやり返しました。それほど大きな優位差はなかったと思います」

 一方、慶応義塾大学の渡辺靖教授は、

「経験豊かなヒラリーから決定打が出ず、トランプは善戦したのでは。ただ、納税申告問題や、核の認識、人種差別問題などでトランプの資質を問うたヒラリーが優勢に見えました。この先は、各地域でのドブ板選挙が重要で、より多くの選挙事務所を持つ、ヒラリーが有利と言えますね」

 直後のCNN世論調査ではヒラリー氏に軍配。第2Rは10月9日だ。

週刊新潮 2016年10月6日号掲載

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