【リオ五輪】フェアリージャパン畠山愛理が慕う「フロア上の母」

スポーツ週刊新潮 2016年8月4日号掲載

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 どん底まで落ちた日本の新体操を立ち直らせたのは、かつて統一教会問題を起こした、山崎浩子強化本部長(56)である。代表団体チーム「フェアリージャパン」のメンバーと寝食を共にし、指導を行ってきた。リーダー格の畠山愛理(21)は、「お母さんみたいな存在」だと慕っているという。

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畠山愛理ツイッターより

 2004年開催のアテネ五輪で、新体操は出場権を逃し、低迷期に突入。そこで、強化本部長を引き受けたのが、“新体操の元女王”だった。

 新体操を専門に取材する、スポーツジャーナリストによれば、

「本来、新体操で実績のある選手は、大学で監督をしたり、自分でクラブを経営したりしています。でも、山崎さんの場合は、統一教会問題で躓(つまず)き、そうした機会に恵まれなかった。だからこそ、災い転じて福となすで、急遽、強化本部長として白羽の矢が立っても引き受けることができました」

 最初に手を付けたのは、代表団体メンバーの選抜方法だったという。

「それまでは、国内大会の優勝チームが自動的に五輪に出ていましたが、05年にオーディション制を導入し、代表団体メンバーの選び方を変更した。しかも、実績より、プロポーションや関節の柔軟性など、練習では培うことのできない天性の素材を重要視しました」(同)

 年1回のペースでオーディションを行い、現在のメンバーは12期である。

「山崎さんは、味の素ナショナルトレーニングセンターで、選手と一緒に寝泊まりしながら練習をさせてきた。さらに09年からは、ロシア人のインナ・ビストロワをコーチに迎え、1年の3分の1以上をサンクトペテルブルクで長期合宿するようになったのです」(同)

 結果、5月のアジア選手権、7月のワールド杯ドイツ大会と立て続けに総合優勝を飾り、リオ五輪でのメダル獲得もまんざら夢ではなくなってきているのだ。

■泣き言も…

 フェアリージャパンのレギュラーメンバー5人のうち、畠山はロンドン五輪に続き、2大会連続の出場。身長170センチ体重49キロという抜群のプロポーションで、昨年のミス日本特別賞も受賞した超美形である。

 畠山の母親、聖子さんが述懐する。

「09年の冬に、クラブの先生から、“フェアリージャパンのトライアウトを受けてみなさい”と言われて、チャレンジしたところ、幸いにも合格できました。そのすぐ4日後にはロシア合宿に出発。まだ15歳で、洗濯や料理もさせてこなかったし、身の回りのことができるのか、本当に心配でした」

 それ以降、合宿、合宿の連続で、自宅に戻ってくるのは年末年始など数えるほどだったという。

「東京の合宿所には親でも入れないので、着替えを持っていって駐車場で娘と受け渡しをしていました。親が近くにいられない分、山崎さんには色々な相談をし、泣き言も聞いてもらっていたようです。“お母さんみたいな存在”だと言っていました。娘が少女から女性へと成長していくときに、あまり一緒にいられなかったのは寂しくもありました。練習の成果を発揮し、リオではチームの皆さんと悔いのない演技をしてもらいたいです」(同)

 フロアの上の母に育てられた箱入り娘は、きっと華麗な舞を見せてくれるに違いない。

「特集 秘されたドラマ! 汗と涙の『日の丸』アスリート」より