ポケモンGOのヒット、フジテレビの社長人事にまで影響?

企業・業界週刊新潮 2016年8月4日号掲載

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「ポケモンGO」ゲーム画面

 ポケモン、ゲットだぜ!ついに、日本でもスマホ専門ゲーム「ポケモンGO」の配信が始まった。兜町ではその効果で任天堂のみならず、グッズや充電器メーカーなども一旦は跳ね上がった。しかし、株の目利きたちは、フジテレビを傘下に置くフジ・メディア・ホールディングス(フジMHD)株に注目しているという。

「ポケモンGO」を開発したのは、任天堂が32%の株式を保有する株式会社ポケモンと、米国のゲーム開発会社「ナイアンティック」だ。ナイアンティック社は、世界最大の検索サイト「Google」の社内カンパニーとして、Googleマップなどの開発に参加。陣取りゲーム「イングレス」成功後の昨年8月、「Google」から独立した。経済部記者によれば、

「独立から2カ月後、ナイアンティック社へ任天堂、ポケモン、そしてGoogleが約31億8000万円を出資しました。また、今年2月に約5億3000万円の第三者割当増資を行い、そのほとんどを引き受けたのが、実はフジテレビだったのですよ。ナイアンティック社が上場すれば、フジテレビは莫大な含み益を期待できます」

 親会社のフジMHDの2016年3月期連結決算を見ると、売上高は約6405億7200万円で、当期純利益は約228億3500万円。中核企業のフジテレビは視聴率低迷に喘いでいるものの、子会社のサンケイビルなどが好調で業績は堅調に推移している。株価は7月8日の終値1110円だったが、「ポケモンGO」が配信された7月22日には1322円まで上昇した。

■飛ぶ鳥を落とす

「実は、今年3月にお台場で開かれた企画展でポケモンGOの試作品をプレーしたのです」

 こう笑みをこぼすのは、フジMHDの嘉納修治社長(66)だ。

「日頃ゲームはしませんが、面白かった。直感的に、“これはヒットするのではないか”と感じていたので、良い結果に繋がって嬉しいです。放送事業がメインですが、ここ数年は様々な分野に投資しています。ナイアンティック社への投資は、昨年から大多常務を中心とした若い社員たちが動き、彼ら独自の人脈によるところが大きかった」

 その大多常務とは、フジMHDの取締役も兼務するフジテレビの大多亮(とおる)常務(57)だ。武田鉄矢主演の「101回目のプロポーズ」を初め、視聴率30%超の“トレンディドラマ”を数多く手掛けた元プロデューサー。飛ぶ鳥を落とす勢いで、「東京ラブストーリー」の主演女優・鈴木保奈美との仲を噂されたことも。フジテレビ社員の解説では、

「高視聴率ドラマを連発した大多さんは4年前、テレビ局の“心臓部”である編成制作統括の常務取締役に抜擢されたが、彼の立ち上げた企画が相次いでコケた。それで『踊る大捜査線』の“仕掛け人”亀山千広さんとの社長レースに敗れて、昨年6月には編成制作の統括を外されて総合開発・コンテンツ事業・国際開発担当に“左遷”されました」

 フジテレビ社内でポスト亀山は、報道・情報制作担当の鈴木克明専務と、総務・人事などを担当する遠藤龍之介専務が有力視されているという。そこで嘉納社長に改めて話を聞くと、

「大多常務はドラマ制作で有名になりましたが、スタートは報道。今回も、仕事の担当が替わっただけですよ。4月1日にフジゲームスという会社を立ち上げて、ゲーム事業に力を注いでいます。会社に必要な人材ですから、左遷なんてとんでもない」

 息を吹き返した大多常務。これで社長の椅子もゲットだぜ!となりますか。