「事実上の廃部」PL学園野球部の60年史

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♪あ~ぁ、ピーエル、ピーエル、永遠(とわ)のがくえ~ん~、永遠のが、く、え、ん~

 日本人なら誰もが歌える、というのは言い過ぎかもしれないが、おそらく日本で一番有名な校歌ではないか。

 1956(昭和31)年創部以来、甲子園に春夏合わせて37回出場し、うち7度優勝というPL学園野球部。昨年度から新入部員の募集をやめていた同部が15日、大阪大会で初戦敗退し、休部することとなった。

「部内での暴力など不祥事が相次いだ結果です。学園側に再興の意思はなく、事実上の廃部です」

 とスポーツ紙デスク。こと野球部に関しては“永遠”ではなかったようだ。

 甲子園常連校は数あれど、PLの特筆すべき点は、OBにプロ野球選手が多いこと。数え上げればその数、実に80人超。しかも、立浪和義(87年度卒・元中日)、宮本慎也(88年度卒・元ヤクルト)、そして先頃2000安打を達成した福留孝介(95年度卒・現阪神)など、名球会メンバーを7人も輩出している。近年では、新天地ドジャースで奮闘中の前田健太(06年度卒・元広島)もOBの一人だ。

「ただ、プロ野球チームの監督を務めたのは、尾花高夫(75年度卒・ヤクルト入団。後に横浜監督)ただ一人だけ。立浪や宮本も、チームの顔役というべき人気と実績を残しながらも、お座敷がかかったことはなく、今後も可能性は極めて低いと思われます」

 と先のデスク。

「PLのOBは口を揃えて“高校時代が一番辛かった”と言います。厳しさのあまり“大人の社会性”が身につかなかった、という人も。そういえば、清原もそのなれの果てですかね」

 蛇足だが、PLに代わって栄華を極めているのが、大阪桐蔭である。

「今年のオールスターにも、中田翔、浅村栄斗、藤浪晋太郎の3名が出場。PL出身者は、ゼロです」(同)

 盛者必衰。

週刊新潮 2016年7月28日号掲載

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