まもなく公表の“お気持ち”は違憲にならないのか?〈生前退位の大疑問〉

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 陛下は近々、自ら内外にお気持ちを表したいご意向だという。一方で宮内庁は、ご退位の意思を陛下がお示しになることは制度上、不可能だと説く。遠からず我々が接するであろう「メッセージ」とは果たして……。

「風岡典之長官が、陛下のお気持ちを忖度して代弁することも可能ですが、今回はあくまで陛下が“自分で伝えたい”との強いお気持ちを持たれています」

 とは、さる侍従職関係者。

「当初は、年末のお誕生日に合わせてご心情を述べられる予定だったところ、既に報じられたため、時期は大幅に早まる見込みです」

 陛下自らの希望による会見も想定されるのだが、

「やはり不測の事態が予想されるため、東日本大震災の時に前例となったビデオメッセージになるのでは、との見方が有力です」(同)

 といい、肝心の中身は、

「憲法との兼ね合いで『私は~することとしました』といった形の宣言やご意思の表明はできず、『退く』『譲る』などの語も、現行の典範に物申すことになるため、用いられません」(同)

 昨年の誕生日会見で陛下は、〈年齢というものを感じることも多くなり、行事の時に間違えることもありました〉と仰っていた。

「同じく『象徴としての務めを果たせず、あるべき姿でないことに思いを致し……』といった、あくまでご心情の吐露に限ったものにならざるを得ません」(同)

 行間から陛下の懊悩が否応なく伝わり、おのずと退位へ向けた議論が沸き起こる。そんな「婉曲的手法」が用いられるというのだ。

「特集 『天皇陛下』生前退位に12の大疑問」より

週刊新潮 2016年7月28日号掲載

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