鳩山邦夫、次男の後継に“待った”の声がかかるワケ

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 良し悪しはさておき、亡き政治家の地盤を子供が引き継ぐのはよくある話だ。先月21日に急逝した鳩山邦夫氏(享年67)の後継者として、次男で福岡県・大川市長の二郎氏(37)の名前が挙がるのも自然な成り行きである。しかし今、この動きに“待った”がかかっている。

彼岸の父も気が気じゃない

 与党担当記者が言う。

「今月7日、地元紙の取材に対し二郎氏は、10月23日投開票の福岡6区衆院補欠選挙への出馬の意欲を示しました。するとこの報道を目にした自民党福岡県連が激怒。『候補者選定はまだ白紙状態だ』と、新聞社にクレームを入れる騒動にまで発展しているのです」

 二郎氏が正式に出馬表明をしたわけではない。にもかかわらず、県連のこの反応は過剰とも見える。

 県政担当記者の解説。

「2014年12月の衆院選の際、県連は『地盤を子に継がせない』との条件で邦夫さんの出馬を認めました。その約束が反故になることに反発しているのです」

 周知の通り邦夫氏は、2010年に自民党を離党。2年後の選挙は無所属で出馬し、当選。その後復党したという経緯がある。

「そうした邦夫さんの行動に地元では不信感が強まり、擁立には強い抵抗がありましたが、党本部の意向には逆らえなかった。先の約束は、地元有権者の不満を和らげるためになされたのです。彼が引退した暁には、地元から別の候補者を擁立する予定でした」(同)

 しかし、こんなに早く“その時”が訪れるとは想定外。

 自民党関係者が嘆息する。

「県連は選考委員会を設置し、7月末までに候補者を決定する予定ですが、現状、他に手を挙げる人は現れていない。二郎氏で決まる可能性はあります」

 弔い合戦は始まっている。

週刊新潮 2016年7月21日参院選増大号掲載

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