高島礼子の“100点満点”会見に見る夫婦のすれ違い…捜査員には「一緒に寝ることはありませんでした」

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 6月24日、覚醒剤取締法違反などの疑いで、愛人と共に逮捕された高知東生(のぼる・51)。それから6日後、記者会見に臨んだ妻で女優の高島礼子(51)は、100点満点の対応で芸能記者を手玉に取った。だが、当局の聴取を通じ、孤独の寝室の実態が浮かび上がるのだった。

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「夫婦というよりはむしろ同居人と言いますか……。寝室は別で、そもそも一緒に寝ることはありませんでした」

 京都タワーホテル内の貸会議室。小学校の教室ほどの広さもない空間が、謝罪会見の場に選ばれた。逮捕から間もない、30日のことである。

「事情聴取と検査を受けなければなりませんでしたので、そのご報告も併せて」

 こう口火を切った高島は薄化粧で、パート帰りのおばさんのようないでたちは、女優を5つも6つも老けさせていた。

『他人を攻撃せずにはいられない人』(PHP新書)などの著書がある、精神科医の片田珠美氏は、

「そのような身なりは、51歳という彼女の年齢なりのアラを際立たせていたと思います。ベッキーが『金スマ』で久々にお茶の間へ登場した時、ヘアメイクがばっちりだったことで視聴者の反感を買いました。女優ですから、綺麗に映りたいのは当然です。しかし、高島さんがあえてほぼノーメイクで現れたのには、そういった世論に鑑みた、計算があったのでしょう」

 と見立てを語る。高島を囲む報道陣のなかで、もっとも間近に控えていた芸能リポーターの井上公造氏が後を受け、

「100点満点でしたね」

 としたうえで、こう評する。

「なぜなら、用意された紙を読んでいるのではなく、自分の言葉で話し、メディアからの質問にも規制をすることがなかったからです。涙をぐっと堪える姿も印象的。あれを見て、“ドラマの放送は中止にしろ”という声はあがらない。つまり、高島礼子さんへの世の中からの批判を封じ込めることができたということです」

 会見への反応が同情ばかりで、彼女が論難されない理由を先の片田氏に分析してもらうと、

「世間から非難されているであろう点を自ら挙げて謝罪したことです。例えば、“なぜ妻である高島礼子は出てこないんだ”という声。これを受け止め、“本来ならばもっと早く皆さまの前へ出るべきでした”“気持ちの整理と事実関係が明らかになってからと思って”ときちんと説明している」

 結果、高島が会見で最も主張したかった「自分は薬物とは一切関係ありません」というメッセージが、広く受け入れられたと解釈するのだ。

■先手必勝解毒型

「いわゆる謝罪会見は、先手必勝解毒型、先手必勝蛇足型、瀬戸際放棄逃亡型、そして袋小路犬死型の4つに分類できます」

 と、これは危機管理コンサルタントの田中辰巳氏の指摘である。もちろん、先手必勝解毒型がベストで、今回もそれに当たるのだが、ならばワーストはと言うと、

「都知事の座を追われた舛添さんのような袋小路犬死型です。一方、先手必勝蛇足型というのは袋小路、瀬戸際に比べるとマシなのですが、最後の最後に要らぬことを言って台無しにしてしまうパターンになります」

 例えば、今年1月の甘利明・前経済再生担当相、08年の福田康夫元首相の辞任会見がこれに合致する。

「甘利さんは早々に辞職カードを切りましたが、“私の政治家としての美学”などと発言して顰蹙を買った。福田さんも記者に対して、“私は自分自身を客観的に見ることができるんです。あなたと違うんです”と抗弁しましたが、同様です」(同)

 周りが問題を起こした時、人には押し並べて2通りの感情の発露があるという。1つは怒り、もう1つが逃げること。しかしながら、

「高島さんはそのどちらも選ばなかったから、共感を得られたのです」(同)

■一緒に寝ることは…

 このように極めて高い評価があるなかで、

「あんな風に現れて涙ぐみ、頭下げるんだろうなと、思っていた通りの展開だった」

 と意地悪な感想をこぼすのは、ある芸能プロ関係者。

「彼女は大変な苦労人。なにしろ、お茶くみをしていたOLから女優に成り上がったんだ。『暴れん坊将軍』のチョイ役でも何でも、どんなちっちゃなチャンスでもモノにし、生き馬の目を抜く芸能界をサバイブしてきた。だから、今回の会見なんて余裕のよっちゃんですよ」

 前出・田中氏もそこまでへそ曲がりではないものの、

「高島さんは1つだけミスを犯した」

 と続けるのだ。

「記者のひとりから、“高知さんと最後に会ったのは?”と質問を受けた際、目が泳いで答えられなかった。普通、そんな日を忘れる筈がありません。恐らく、夫婦のコミュニケーションがあまりなかった。ただ、周囲の反対を押し切って結婚した手前、夫婦生活が上手く行っていないのを公にするのは彼女のプライドが許さなかったのでしょう」

 夫婦のすれ違いに関しては、会見に先立つように行なわれた麻取当局の事情聴取で女優当人が匂わせている。事実、さる捜査関係者によると、

「捜査員が“高知の異変に気付きませんでしたか?”と尋ねたところ、彼女は、“心当たりがないのです。夫婦というよりはむしろ同居人と言いますか……。寝室は別で、そもそも一緒に寝ることはありませんでした”と答えたそうです」

 高島は離婚についても、

「そういう決断をしなければいけないということも1つ。ちゃんとしっかりと現実を見て、今後の彼の動向を見て判断しなければいけないのだと思います」

 と会見で踏み込んだのだ。

「実際に、彼女は周辺にも離婚を仄めかしています。仮に決断するとすれば、高知の保釈が見込まれる8月末か、連続ドラマが終わった後の9月末が、ひとつのタイミングになるでしょう」(テレ朝関係者)

「特集 芸能記者を手玉に取った記者会見は100点満点でも……『高島礼子』を傷つけた孤独の寝室」より

週刊新潮 2016年7月14日号掲載

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