テレ東「世界ナゼそこに?日本人」 統一教会のブローカー的信者がいる可能性

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 多宝塔や印鑑を買わずとも、連中を勢いづかせるには効果覿面(てきめん)だろう。テレビ東京が自局の人気番組に統一教会(世界平和統一家庭連合)の信者をたびたび出演させていたといい、目下、「公開質問状」を送られる騒ぎに発展しているのだ。

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テレビ東京

 件の番組は「世界ナゼそこに?日本人~知られざる波瀾万丈伝~」(月曜21時)。思いもよらぬ地に住む日本人を、その経緯と併せて取り上げる「ドキュメントバラエティ」である。さる民放関係者によれば、

「2012年秋に2時間スペシャル番組としてスタート。ユースケ・サンタマリアが司会を務め、視聴率もコンスタントに10%近くある。他局から後追い企画が出るほどで、まさにテレ東の目玉番組と言えます」

 が、5月26日には「全国霊感商法対策弁護士連絡会」から、テレ東社長らに宛て「申入書」が送付されていた。内容は同会のホームページにも掲載されており、それによれば同番組が、

〈多数回にわたり、統一教会の日本人女性信者を登場させ、当該日本人女性が外国人男性と海外で家庭を持つに至った経緯、あるいは当該日本人女性が海外に渡りそこで生活を送っている経緯について、虚偽の事実を織り交ぜた物語を創作して放映している〉

 とのことで、霊感商法による被害が1987年から15年末までの間に合計約3万3800件。総額約1170億円にのぼるとした上、

〈恋愛を絶対的に禁止され、教祖文鮮明の指名により見ず知らずの外国人男性と結婚し、家庭を持ったことを秘匿し(中略)宣伝材料を与えてきたことについて、深刻に憂慮しております〉

 そう訴え、6月10日までの回答を要求しているのだ。

■他局にも…

 申入書を送付した連絡会の渡辺博弁護士が言う。

「今年4月、アフリカ在住の日本人男性から私どもに情報提供がありました。番組のスタッフから『現地の日本人を紹介してほしい』と要請されたという。統一教会の集団結婚式で送り込まれた日本人女性から相談を受けた経験もある彼は『(リサーチは)慎重にした方がいい』とアドバイスした。ところがそのスタッフは『結婚の経緯などは簡易化することもあり、統一教会の人も何度か取材している』と答えたというのです」

 渡辺弁護士によれば、これまで同番組では13年8月に放映された西アフリカ・ブルキナファソの「4児のシングルマザー」、同年10月放映のヨルダン「難民を救う女性」。そして14年8月のコスタリカ「高齢出産女性」、さらに今年3月放映の「重病を抱えたウクライナの女性」と、少なくとも4件で日本人の女性信者が登場したという。

 当のテレビ東京に聞くと、

「世界各地で生きる日本人の姿を紹介する番組で、紹介する方のプロフィール等は、ご本人に直接、きちんと取材した結果に基づいたものです」(広報局広報部)

 一方、統一教会は、

「内容に関しては答える立場にありません。信者を紹介したことも、番組で取り上げるよう働きかけたこともありません」(広報局)

 が、統一教会に詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏は、こう指摘するのだ。

「今回の問題は、ブローカー的に動いている信者が背後にいるとみられます。テレ東以外にも類似番組があるので、他局に飛び火する可能性は大いにあります」

 いっそエンドロールにクレジットを入れてはどうか。

「ワイド特集 うまい話に裏がある!」より

週刊新潮 2016年6月16日号掲載

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