韓国系ファンド傘下・コメダ珈琲が上場へ ドトール、スタバに勝てるか

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 東京ではそれほど馴染みがないかもしれないが、人気チェーン「コメダ珈琲」は、ゆったりした席が喫茶店好きの“名古屋人”から絶大な支持を得ているという。その親会社で、2年前に設立された「コメダホールディングス」(コメダHD)が、早ければ6月下旬に東証1部へ上場する。

 1968年に名古屋市内で開店した「コメダ珈琲」の郊外店には高齢者が集い、都心型店舗は女子高生やOL、サラリーマンの憩いの場となっている。飲食業界を担当するアナリストによれば、

「2016年2月期決算を見ると、コメダ珈琲の売上高は約219億5800万円で5年前のおよそ2・4倍。株式上場の目的は店舗網拡大のための資金調達で、ドトールとスターバックスを上回る“国内トップの座”を狙っています」

 目下、コメダ珈琲の国内店舗数は676で、1340のドトールグループと、1173のスターバックスを猛追している。また、上場には“親会社”の思惑が働いているのだという。

「実は、コメダは韓国系投資ファンドMBKパートナーズの傘下企業なのです」

 こう解説するのは、証券会社の上場担当者だ。

「3年前、MBKは日本の投資ファンドから約400億円でコメダ珈琲の全株式を買い取りました。すでに、投資額に見合う“含み益”を確保していますが、投資家への配当が十分とは言えません。そこでコメダHDを上場させて投資家への配当原資を捻出するとともに、企業価値を高めてさらなる投資を呼び込もうと考えているのでしょう」

 かつて、日本生産性本部の顧客満足度調査のカフェ部門で1位に輝いたコメダ珈琲。さて、投資家も満足させる結果を出せますか。

週刊新潮 2016年6月2日号掲載

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