オバマ大統領の広島訪問になぜか同行「死の行進」元兵士 監視役だった?

政治週刊新潮 2016年6月2日号掲載

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オバマ大統領

 誤解を恐れずに言えば、“招かれざる客”と思った人もいるかもしれない。オバマ米大統領の広島訪問に、なぜか「バターン死の行進」で生き残った元兵士が同行したのだ。何だか、アメリカ側の意図が透けて見え、嫌な感じである。

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「オバマが広島を訪問したら内閣支持率は確実に上がる。そうなれば、安倍総理は解散したくなるはずだ」

 衆参ダブル選の見送り決定前にある閣僚がこう呟いていたように、オバマの広島訪問が最後に総理の背中を押すとの見方は少なくなかった。が、

「大統領に、米政府の要請で元米兵捕虜らで作る退役軍人団体『全米バターン・コレヒドール防衛兵記念協会』の元兵士1人が同行していました。この団体の中には、オバマが広島に行ったら『誰かが彼を撃つだろう』と公然と広島訪問に反対する者もいました。米政府は、ガス抜きのために元兵士を呼ぶことにしたのでしょう」(政治部デスク)

 原爆投下とフィリピンでの「バターン死の行進」は、全く次元の違う話という気もするが、

「元兵士がオバマ大統領に同行するのは、せっかくの広島訪問に冷や水を浴びせるようなものです」

 と批判するのは、中西輝政・京都大名誉教授。

「今回の訪問に際しては、日本政府は原爆を投下したことに対する謝罪は一切要求しません、という大きな譲歩をした。だからこそ、オバマ大統領の訪問も決まったはず。なのに元兵士が同行するということは、逆に日本に謝罪要求を突き付けるも同然。元兵士からすれば、大統領が不用意な謝罪をしないよう監視役として同行する意味合いがあるのでしょう」

「特集 あなたが総理なら解散に踏み切るか? 『ダブル選挙』損得の算盤」より