ゴミ屋敷になりやすい職業4割はこういう人たち〈清掃人は見た! あなたの近所の隠れた「汚部屋」(2)〉

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冷蔵庫を開けた途端、異様な光景が…【写真も】

 現代人がゴミをためる理由は、実に多種多様だ。

 多忙で物理的に掃除をする暇さえない場合。新社会人が仕事に慣れずストレスをためこみ、掃除をする気力もない場合。ADHD(注意欠陥多動性障害)など、そもそも片付けられない病を持つ人も相当数いる。引っ越してきて、その地域の分別ゴミの出し方がわからない。間違えてゴミを出し叱られたので、以後一切ゴミを出さなくなったケース。「辛い出来事」が契機となる場合もある。失恋や離婚、家族の死などで抑うつ状態になり、何もする気力がなくなり、気がつくと、ひとりではどうにもならないほどのゴミをためこんでいる。

 次のケースは、そうした複合要因を含んでいそうだ。

 前出の「エコフレンドリー」の坂田さんが、某大企業の独身寮の寮長からの依頼で、ある部屋に踏み込んだ時のこと。強烈なアンモニア臭のもとをたどって収納や冷蔵庫を開けた途端、異様な光景が飛び込んできた。

「戸棚の中、ベッドの下の引き出し、冷蔵庫、そのすべてに、ペットボトルが整然と隙間なくぎっしり詰め込まれていたんです。2リットル入りのボトルが約500本。つまり1トンを、この部屋の主はため込んでいたんです」

「いったいなぜ、こんなことしたの?」

 寮長が本人を問い詰めると、その男性は顔をゆがめうなだれるだけだったという。

「なんでも、仕事でミスをして引きこもりのようになっちゃったそうです。あいにく、その寮には各部屋にトイレがなかった。それで、ペットボトルにやっていたらしいんです。その後本人は会社を欠勤、寮からも一時、失踪していたようです」(坂田さん)

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福田ますみ(ふくだ・ますみ)
1956年、横浜市生まれ。立教大学社会学部卒業後、専門誌、編集プロダクション勤務を経てフリーに。2007年、『でっちあげ』で新潮ドキュメント賞受賞。今年の「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞受賞作を書籍化した近刊『モンスターマザー』も話題となっている。

週刊新潮 2016年5月5・12日ゴールデンウイーク特大号掲載

「特別読物 食事中の閲覧注意!『ゴミ屋敷』清掃人は見た! あなたの近所の隠れた『汚部屋』――福田ますみ(ノンフィクション・ライター)」より

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