紗栄子はなぜ嫌われるのか 熊本への500万円寄付も「いちいち見せなくていい」の声

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 映画『嫌われ松子の一生』(2006年公開)には、主人公が「人間の価値ってさ、人に何をしてもらったかじゃないよね。人に何をしてあげたかってことだよね」と呟くシーンがある。それを知ってか知らずか、タレントの紗栄子(29)は熊本地震の被災者に500万円の寄付をしたという。にもかかわらず、途端に厳しい批判に晒された。どうしてそこまで嫌われるの?

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「嫌われ紗栄子」はどこへ行く

 熊本地震の被災地では、発生から約2週間が経った時点で、10万人近い人々が避難生活を強いられていた。宮崎県出身の紗栄子にとっても他人事ではなかったようで、4月19日に更新した自身のブログに、

「私も今できることを。子供達もお小遣い貯金を千円ずつ。家族みんなで寄付させていただきます。家族みんなで祈ります」

 と書き込んだ。が、同時に500万2000円と振り込み金額が書き込まれた金融機関の明細の写真をアップしたことで、すぐさま「いちいち見せなくていい」「好感度を上げるために利用している」「黙ってするのが美徳」など、多くの批判が寄せられたのだ。これにはベテラン芸能記者も苦笑いを隠さない。

「紗栄子は超美人でもなければ頭もスタイルも良くありません。女優としての実績にも乏しく、タレントとしても、時折下着メーカーのCMに登場するくらいでテレビの露出はほとんどありません。それなのに、ブログにはファッションリーダー気取りで裕福さを見せつけるようなことばかり載せています。世間は“それは自分の実力ではなく、元夫のダルビッシュや現在の彼氏である実業家のお陰でしょ”と突っ込みを入れたくなるのでしょう」

 先のブログでは、本来は他人に見せる必要のない明細を公開したり、8歳と6歳の息子2人が出したという2000円に言及した。

「その点も、地震だけでなく、子どもまでダシにして、自分のイメージをアップさせようとするパフォーマンスに見えてしまう。反発を買うワケですよね」

 最近話題の「不謹慎狩り」を、自ら煽っているというのである。

■強い自己顕示欲

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏が指摘する。

「そもそも芸能人は、不謹慎狩りの対象になりやすい存在です。それは、基本的に自己顕示欲が強い上に、彼らにとっては普通のことでも一般人には自慢にしか見えないことが多々あるからです。ネットで強い批判が起こるのは、マナー違反など順法意識に欠ける行為が確認できた時や、強い嫉妬心が喚起された時。投稿者の自己顕示欲が余りに過剰な場合も同様です」

 紗栄子の場合は、これら3つのポイントがすべて揃っているそうで、

「振り込みの明細を見せるという一般常識の欠如や、大金をポンと寄付できる裕福な生活のアピール、そして寄付の事実を必要以上に見せつけている強い自己顕示欲が見て取れます」

 が、彼女にどんな思惑があろうとも、500万円もの大金を寄付したことは事実。評論家の大宅映子氏は、

「寄付が偽善に見えるとしても、誰にでも本音と建前はあるもの。何でも歯に衣着せずに批判するという風潮は、余り感心できません」

 さらに、ライターの吉田潮氏はこんな意見だ。

「確かに紗栄子さんには、強い上昇志向と自己愛が感じられます。ネットで歪んだ正義感を振りかざす人にとって格好の標的になりますが、彼らに堂々と対峙する紗栄子さんには、ある種の清々しさを感じますね」

 それこそが、紗栄子が嫌われる最大のポイント――。

「ワイド特集 淑女たちの疾風怒濤」より

週刊新潮 2016年5月5・12日ゴールデンウイーク特大号掲載

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