ペルー大統領選に挑むケイコ・フジモリ 父は初の日系大統領

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 外務省によると、世界で最も多く日系人が住む国はブラジルで、2位がアメリカ、3位がペルー。日本が中南米で初めて国交を結んだのもペルーで、明治6年(1873年)のことだった。

 そんな縁の深い同国で初の日系人大統領となったのがアルベルト・フジモリ氏(77)だったが、長女のケイコ・フジモリ氏(40)が再び大統領選に挑戦中だ。

「2011年の大統領選に出馬した際は接戦の末に敗れましたが、今回、4月10日の投票では首位に立ちました。6月5日の決選投票に結果は委ねられるものの、再び日系人大統領が誕生する可能性が出てきました」(現地記者)

 両親の離婚のため19歳からファースト・レディーを務めたケイコ氏はその後、米コロンビア大でMBAを取得、06年に過去最多得票数で国会議員となっている。

「ケイコ氏の支持層は父の支持層でもあった貧困層。銀、亜鉛、鉛、錫の産出量が世界3位、金は6位という資源国ペルーの経済は最近10年で平均成長率が6・2%と順調ですが、貧富の格差が大きく、国民の3割以上が貧困層に属しています」(同)

 ハイパーインフレを退治、日本大使公邸占拠事件を解決したフジモリ元大統領は、小学校建設やライフライン整備に尽力し、貧困層から圧倒的な支持を得る一方、旧勢力からは“独裁政権”と批難された。現在は汚職と人権侵害を理由に禁固25年の刑に服している。

「父を理由に反ケイコに回る層も存在します」(同)

 頼みの父がアキレス腱だ。

週刊新潮 2016年4月28日号掲載

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