伊勢原で遺体発見「週刊新潮」に死刑囚が告白した殺人事件の全容

社会 週刊新潮

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 前橋スナック銃乱射事件(2003年)で死刑が確定した、指定暴力団、住吉会の幹部・矢野治(67)が獄中から新たに告白した殺人を巡り、警視庁と神奈川県警は19日、津川静夫さん(失踪時60歳)と見られる遺体を発見した。

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 矢野が警視庁と本誌(「週刊新潮」)に対し、警察も把握していなかった2件の殺人を告白する手紙を送ってきたのは、一昨年末と昨年5月のことだ。本誌は取材に1年余りを費やし、彼が明かした事件の全貌を報じた。

 闇から闇に葬られた殺人事件の犠牲者は、2人いる(図参照)。最初の被害者が、1996年8月に家族の前から忽然と姿を消した、不動産業者の津川さんだった。小田急線伊勢原駅前の再開発をめぐり、津川さん所有の土地を奪おうとした住吉会系組織の若頭が矢野に殺害を相談。彼がこれを別の組長に依頼した結果、津川さんは、その配下の組員に殺害されたというのである。

 そしてもう一人は、1997年、政界を揺るがした事件のキーマンとして、社会の耳目を集めた人物だった。現役の国会議員、友部達夫(故人)が多くの国民から多額の金を騙し取った「オレンジ共済事件」。この事件に絡み、5億円もの金を新進党に運び、政界工作を仕掛けたとされた斎藤衛である。“永田町の黒幕”と呼ばれた彼は、2度も国会に証人喚問された。

 その斎藤と知り合いだった矢野は、彼に1億円ほど金を貸していた。しかし8600万円が焦げ付いたことを機にトラブルとなり、自らの手で絞殺したという。

 いずれのケースでも、矢野の指示を受け、死体を遺棄したのは、彼が率いた「矢野睦会」の元組員、結城実氏(仮名)だった。

 このうち、最初の伊勢原の事件の捜査を優先してきた警視庁が、津川さんの遺体の捜索に着手していた。もっとも、当初、警察は矢野の告白を握り潰そうとしていた節がある。1年以上に亘り事案を完全に放置していたからだ。

 この間、本誌は結城氏に接触し、全容を明かすよう、説得を重ねた。結果、ついに彼は重い口を開き、こう証言してくれたのだ。

「津川さんの死体は、伊勢原の大山の林道脇にあるブナの雑木林に穴を掘り、埋めた。斎藤については、木村洋治(仮名)という組員とともに、埼玉の飯能あたりの山中の雑木林に遺棄した」

 本誌の報道を受け、警視庁は慌てて、結城氏への任意聴取に着手し、今日に至ったというわけだ。

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