岡田代表「志位さんは信頼できるひとだ」はしゃぐ野合勢力を安倍政権は歯牙にもかけない

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 2月26日に発表された民主党と維新の党の合流。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏の解説によれば、

「民主党・岡田克也代表(62)は事あるごとに、“志位さん(和夫共産党委員長)は信頼できるひとだ”と周囲に言っている。その志位委員長が目指す野党連合のためにも、民維合流は欠かせないステップだった。そこを起点に生活の党や社民党などへ合流を呼び掛けていくことになるわけですから」

民主党・岡田克也代表、共産党・志位和夫

 それとは逆に、民主党を飛び出した人もいる。2月26日に離党届を提出した鈴木貴子代議士ご当人に聞くと、

「党の綱領で共産主義社会への前身をはかると宣言している政党と、民主党は共同歩調を取ろうとしている。私とは基本的思想や国家観が全く異なります。また、北方領土問題の解決などで、現実的な政治ができない点でも到底与(くみ)することはできないのです」

 そうやって一蹴された共産党ではあるが2月28日付「しんぶん赤旗日曜版」で、

〈戦争法廃止 野党が選挙協力 5党首が合意〉

 と、あたかも他の野党と気脈を通じているかのようなはしゃぎぶり。政治部デスクによれば、

「共産党が失うものは何もない。けれど彼らが出しゃばることで、特に民主党は政策の矛盾を突かれるなど足を引っ張られ、失う票がかなりある。共産党の候補が出馬しないからといって、その分票が上積みされるとは限らないのです」

歯牙にもかけない官邸

■政党ロンダリング

 ところで、迎え撃つ官邸はと言うと、「首相以下、官邸幹部が集まる会議で、今回のことは話題にのぼっていません。歯牙にもかけていないというのが偽らざる状況です」

 と、官邸関係者のひとりが苦笑いを浮かべて続ける。

「この船の行先はまだ決まっていませんけど、とにかく3月中に出航しますから乗ってください。今回の合流はそう促しているように聞こえます。とにかく政党の根幹部分が抜け落ちている。共産党にしたって日米安保反対を唱えているわけで、そんなところから協力を得てしまえば、安保を語る資格すらなくなってしまいますね」

 渡辺喜美・元みんなの党代表(63)は、

「今回の合流は典型的な『政党ロンダリング』と言えます。政策も理念も異なる政党が、選挙のためだけに一緒になることには高い壁がある」

 とし、こう断じる。

「そういった『切り貼り型』の再編だと国民に、“どうせ政党助成金がほしいだけだろう”“選挙に当選したいだけでしょう”と下心を見透かされ、それゆえに支持も集まらないのです」

「特集 顔で笑って心が千々に乱れた『岡田』『松野』『枝野』『江田』……票のために結婚する『民維合流』156人の初夜」より

週刊新潮 2016年3月10日号掲載

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