「甘利」前大臣からも嫌われて “求心力ゼロ”の「石原伸晃」TPP大臣で大丈夫か

政治週刊新潮 2016年2月11月号掲載

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 金銭授受疑惑報道によって甘利明氏(66)がTPP大臣を辞任したが、代わって起用された石原伸晃氏(58)には酷評の数々が囁かれている。日本テレビ記者時代の元同僚は「仕事はぜんぜんできなかった」と口を揃えるし、2012年9月の自民党総裁選では、幹事長の身ながら総裁の谷垣禎一氏を差し置いて出馬を決めるという“事件”を起こす。筋を通さない石原氏のこの振る舞いにより、谷垣氏、そして麻生太郎財務大臣の怒りを買った。

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石原伸晃氏(58)

 石原大臣誕生にムカついているのは、麻生氏や谷垣氏だけではない。辞任した甘利氏もその一人である。自民党のベテラン議員が語る。

「山崎拓さんが父である石原慎太郎さんに頼まれて、伸晃さんを山崎派に迎えたのは07年末のことです。元々、甘利さんは、山拓さんの後を自分が継ぐつもりだった。ところが、山拓さんは12年末、派閥を伸晃さんに任せた。甘利さんにすれば、ボスのために尽くしたのにトンビに油揚げをさらわれた思いだったはず」

 では、なぜ、甘利派ではなく、石原派になったのか。

「山拓さんは72年の総選挙で初当選したが、この選挙戦の最終日に石原慎太郎さんが福岡まで駆け付け、応援演説をやってくれたそうです。人気者の慎太郎さんのおかげで、かなりの数の人が集まったとか。山拓さんは、そのせいで当選できたと思っている。派閥を伸晃さんに継がせ、慎太郎さんの恩に報いることができたと説明しています」(同)

 親の七光りで派閥を継承したボンボンが面白くないわけだ。

■“伸晃に継がせて失敗した”

甘利明氏(66)

 また、意外と知られていないが、甘利氏は12年9月の自民党総裁選に出馬するつもりだった。

「当時、甘利さんは総裁選に出るため、山崎さんに推薦人を貸して欲しいと頼んだ。しかし、伸晃さんの立候補が決まっていたため、断られた。出馬できなくなった甘利さんは、その後、安倍陣営へ駆け込み、選対本部長を務めた。山崎派も出ることになりました」(同)

 石原、甘利がこんな関係じゃ、大臣の引継ぎなんて簡単にできやしない。せっかく山崎氏から引継いだ派閥も、

「伸晃さんはボンボンなので、未だに自分は面倒を見てもらう立場と勘違いしているらしい。派閥の議員の面倒も見ないし、求心力はゼロ。山拓さんも“伸晃に継がせて失敗した”と嘆いていたこともあります」(石原派関係者)

 彼には、東京都連会長という肩書もある。

「今年で12年目ですが、こんなに長くやった人はほかにいませんよ。そもそも大臣と都連会長は両方できない。辞任すべきとの声が出ています。しかし、都連会長は都議会の予算編成に大きな影響力がある。そこに利権も発生するため、会長ポストを手放すつもりはなさそう」(政治部記者)

 最後に政治アナリストの伊藤惇夫氏の指摘。

「甘利さんは実務を精力的にこなしつつ、内閣の調整役でもあった。しばしば対立するリフレ派の安倍・菅と、財政再建派の麻生さんとの間を上手に調整し、対立が起きないようにしていた。石原さんに、その代わりが務まるとは思えません。つまり、安倍さんは能力よりも、自分との距離感で後任を選んだ。長期政権になって、緊張感がなくなってきているのかもしれません」

 甦る石原氏のバカ伝説は、安倍政権の終わりの始まりとなるか。

「特集 麻生財務大臣が嫌味! 甘利前大臣は引継ぎを拒否? 谷垣幹事長も恨みあり! そして甦る『バカ伝説』!『石原伸晃』TPP大臣にムカムカする『安倍内閣』の面々」より