「ジャカルタ」に飛び火した「ISテロ」次の標的

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 懸念がついに現実となった。14日、1000万人都市であるインドネシアのジャカルタで連続爆破事件が発生、実行犯4名を含む8名が死亡、26名が負傷した。過激派組織「イスラム国」が東南アジアで初めて犯行声明を発表、中東のテロが飛び火したのだ。

「昨年末からインドネシア、マレーシア、シンガポールは〈攻撃が起きるかもしれないではなく、いつ起きるかというレベル〉と言われていました。特に、世界第4位の人口を擁するインドネシアは国民の9割がイスラム教徒で、イスラム過激派のテロに悩まされた過去があります。ジョコ大統領が15万人規模の警戒態勢を取りましたが、テロが起きてしまいました」(外信部記者)

 東南アジア諸国連合(ASEAN)の盟主であり、目覚ましい経済成長が注目されていたインドネシア。

 現代イスラム研究センター理事長の宮田律氏は言う。

「ユドヨノ前大統領時代に治安が安定しましたが、近年の経済成長の伸び悩みとイスラム国の台頭で傘下に入る過激派組織が続出。イスラム国への参加者は700名、数十名が訓練後に帰国済みと言われています」

 かつてのアルカイダに代わって、イスラム国が過激派のブランドになったのだ。

「フィリピン南部、タイ南部のイスラム系少数民族居住地域でも同様のことが起こっています。また、中国で抑圧されているウイグル人もイスラム国に参加しており、ここが発火すれば東アジアも無傷でいられない」(同)

 貧困の撲滅と教育の充実が最良の処方箋だが――。

週刊新潮 2016年1月28日号掲載

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