“7増13減”に自民がゴネて「大島理森」議長の怒り心頭

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 SMAPの分裂劇の教訓は、「ユダ」が「イエス」に変わり得るという事実。この論法は、政界で拗(こじ)れている衆院選挙制度改革にも当てはまるだろうか。

 1月14日、大島理森衆院議長(69)の諮問機関が答申した改革案に難色を示している彼らは、目下のところ「ユダ」である。

大島理森衆院議長(左) 細田博之幹事長代行(右)

「大島さんが2月上旬までに党の意向を固めるよう指示を出しているのに、谷垣禎一幹事長から高村正彦副総裁、党で選挙制度改革を担当している細田博之幹事長代行までもが、2月下旬に発表される国勢調査の速報値を待つべきだと主張しているんです」

 と、政治部デスク。

「答申された改革案は、小選挙区の『7増13減』と比例区の『1増5減』を合わせて、475人の定数を『10減』するというもの。そのうち、1議席ずつ減る13県で自民が多くの議席を占めているため、彼ら重鎮が党内の反発を見越し、先送りを模索している」

 その急先鋒が細田氏で、自民党関係者曰く、

「『(諮問機関の)学者の言うことは当てにならない』などと、不満を漏らしています。というのも、今回の『7増13減』案は、都道府県間の1票の格差が2倍未満に収まるよう、定数を見直しているのですが、最高裁で違憲判決が出ているのは、あくまでも選挙区間の1票の格差です。これを是正するには、都道府県内の区割りを調整すればいいのであって、何も定数を変える必要はないというのが、細田さんの持論」

 こちらの方が何だか話が早そうだが、大島議長は苛立ちを隠せない。

「『持論があるなら、なぜ議長に委ねたんだ』と、怒りを露わにしています。そもそも、一昨年9月に諮問機関が設けられたのは、細田さんがまとめられなかった選挙制度改革を巡る与野党協議を仲裁するためでした。その経緯を棚に上げて反対するなんて、裏切り行為に等しい。ただ、大島さんは一方で、W選の可能性を考慮し、今国会中の法案提出を重要課題としている。その点では、細田案の方が現実的です」

 戦々恐々とする13県の代議士には「イエス」だ。

週刊新潮 2016年1月28日号掲載

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