【独占手記】「大相撲野球賭博事件」首謀者が激白! 全ては野球賭博の常習大関「豪栄道」の負け金400万円から始まった!――古市満朝

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■豪栄道への忠告

 でも、その後も話はどんどんややこしくなり、10年3月の大阪場所の最中には、すでにお話ししたように抜き差しならない状況になっていた。登場人物も増えていって、これはヤバイ状態になってきてるな、と思っていたら案の定、5月に「週刊新潮」の記事が出た。実はその1カ月ほど前、俺は豪栄道に忠告の電話をしているんです。「野球賭博、ややこしいことになってきとるし、お前は有名人なんやからもう止めとけよ」と。そうしたらその直後に貴闘力が電話をかけてきて、「おい、今度は豪栄道に文句あるんか」と言うから、「あるに決まっとるやんけ。豪栄道は俺の親父の教え子で、その子に野球賭博するなって言うて何が悪い」と言い返したった。さらに、「お前も豪栄道の玉流してんのか」って聞いたら、「い、いやっ」とか言って電話切りよったんです。

 ***

 以上の古市氏の話について、琴光喜は、

「俺が何かを話す義理もないし、メリットもないしさ。あのー、もう思い出したくもないし。俺がそれについて何か話して、何の得になるの、それ。得があるわけないじゃん、そんな話。別に言いたいことも何もないよ」

 一方の豪栄道は、所属する境川部屋の近くで取材に応じた。

――古市満朝氏が刑務所から出所した。

「はい」

――あなたが野球賭博で抱えた多額の負け金から、5年前の事件は始まったと聞いたが?

「ちょっと、師匠と……。師匠を通さないと……」

――野球賭博の常習者だったんですよね?

「……(自転車で走り去ろうとする)」

――400万円の負け金を抱えた?

「ないですよ。400万も負けてないです」

――09年、確かに400万円の負け金を抱えたはずだが?

「いや、なかったと思うんですけど……。ごめんなさい、覚えてない」

――古市氏の弟を通じて賭け、400万円の負け金を抱えて、すぐには支払えなかったことがあると聞いているが?

「覚えてないんで。もしあったとしても、支払い終わっているので……」

 ***

 今、豪栄道はどういう心境なんでしょうね。自分のやったことは自分が一番よう知ってますから。豪栄道に関しては、古市道場の後輩ということもあって、口にチャックしたまま塀の中まで持っていった。豪栄道にしても、「なんでホンマのこと喋らんかったんやろ」と思っていたはずです。

 俺は野球賭博事件の幕引きの仕方に納得していない。琴光喜や貴闘力と同等の処分を受けなあかんのに、今でも協会に残っているやつがいっぱいいますよ。時津風親方、豊ノ島、隠岐の海、そして、筆頭が豪栄道。俺はこの5年、塀の中におったから動きようがなかった。今、刑務所から戻ってきた以上は、その分を取り返したろ、と。今度は俺の反撃の番や、と。俺が知っていることはまだまだある。今後、それを明らかにしていくつもりです。それでようやく、止まったままだった時間が少しずつ動き始める、と俺は思っています。

週刊新潮 2015年12月31日・2016年1月7日新年特大号掲載

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